川添氏は慶應義塾大学看護医療学部を卒業し、経営コンサルティング会社、東京大学病院、全国訪問看護事業協会での勤務を経て、2007年にケアプロ株式会社を起業し代表取締役に就任した。日本在宅看護学会理事、日本看護管理学会理事、日本開業保健師協会副会長、きらきら訪問ナースの会共同代表、東京大学非常勤講師などの社会活動も行なっている。
ケアプロには3つの事業があり、健康チェックイベントの運営を主に行う予防医療事業、訪問看護ステーションを運営する在宅医療事業、移動支援を主に行う交通医療事業で構成されている。
予防医療事業では、検診弱者を社会的課題として発見し、ワンコイン検診などのヘルスケアサービスのプロデュース、その事業が他社に模倣されケアプロの活動がムーブメントとなり、社会システムが代わりそのインパクトが加速している。ケアプロは直接的・間接的に社会を変える成長戦略を取っており、魚を与えるのではなく、魚の取り方を教えるだけでもなく、漁業の産業そのものを変えて行く様なことを目指しているという。
在宅医療事業のきっかけは東日本大震災で、看取り難民30万人、訪問介護師は3万人が不足している現状を受け、需要の課題に対して見取り難民24時間365日のケア、供給の課題に対して若手看護師への教育システムの普及に取り組んでいる。
交通医療事業は、日本には難病・医療的ケア児・認知症などの一人で外出が困難な交通弱者が約2,000万人存在しているという社会課題に対して、外出時に介助が必要な方やそのご家族がスマホで介助者を予約できる専用のマッチングWebサイト&アプリを展開している。医療介護事業者と提携することにより、利用者や介助者を増やしているという。
最後に川添氏にとっての構想力とは、倫理観×革命×先導で、倫理観は本当に世の中に必要な事業なのか、革命は革新的なアイデアや手法であるか、先導は世の中の模範となる仕組みを普及させることが必要だと語った。