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企業と心理学 > 企業と心理学 23

情報錯綜の心理学


概要:
人類がいまだかつて経験したことのない新型コロナウイルス感染は、ほぼ終息した先行国、爆発が危ぶまれる途上国、依然死者数が積み上がる欧米主要国と、温度差が生まれ始めた。独自の方策を採ってきたわが国は、ここに来て感染拡大に歯止めがかからず、沈滞経済の先行き懸念も相まって、日々伝えられるニュースは錯綜を極めている。いったい何をよりどころにすればいいのだろうか。当シリーズ第23回目は、大混乱のさなか、情報の取り扱い方や考え方、発信の仕方を心理学的視点から考察していく。
情報とは、ある事象に関して、意味や価値を伴って伝えられた知識を指す。常に真実とは限らない。必ず段階的な鮮度が伴っている。1次情報は自分が直接関わったもの、2次は出どころを明示した引用、3次がいわゆる伝聞だ。見回せば、現代のネット社会は口コミや風評であふれている。

米心理学者のG・オールポートは、情報には伝え手の主観から合理化、簡略、強調などの歪みが含まれると指摘する。バイアスがかかる原因は、理由の分からない漠とした「不安」を、対象がはっきりする「心配」に変えたい欲求がわれわれにはあるからだ。「心配」なら、みんなで共有できるので安心する。自己を正当化したり、勝手に分析して知的欲求を満たしたい願望もある。事実、あいまいなもの、悪意のあるもの、情報は三つに区分けできる。分類する視点を意識的に持てば迷子にならないだろう。

事実情報の見極め方にはポイントがある。ソースが明確な具体的数値データで示されているなど確度が高いか。明瞭に5W1Hを伴っているか。客観的な観察のみを伝えているか等を確認することだ。数字は母数に目を配り、未来の話は全て憶測と心得ることも留意点に挙げられる。権威主義者や占い好き、他罰傾向のある人は、妄信しやすいことを肝に銘じたい。実際、私たちは無意識的に情報の取捨選択をしている。自分が興味関心のあるものに注目し、恣意的なアプローチを取りがちなことを自覚すべきだ。

情報に振り回されないためには、見聞きしたことをうのみにせず、自分なりに考えてみるなど、真の批判精神を持つことが最も重要になる。加えて、個人的な意見や気持ちと「事実」を区別して伝えること、裏付けの取れないものは「知らない」と言える勇気を持つことが、全ての発信者の責務となる。夾雑物を排除し中身を見定めて受け取ることが、あまねく受信者の責任になるとも言える。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 情報錯綜の心理学
00: 00: 41 企業と心理学 #23「情報錯綜の心理学」
00: 01: 26 批判精神(1)
00: 02: 08 批判精神(2)
00: 02: 32 批判精神(3)
00: 03: 56 批判精神(4)
00: 04: 39 批判精神(5)
00: 06: 40 情報とは
00: 08: 07 情報の鮮度(1)
00: 08: 47 情報の鮮度(2)
00: 09: 07 情報の鮮度(3)
00: 12: 59 情報が歪む原因(1)
00: 13: 19 情報が歪む原因(2)
00: 13: 21 情報が歪む原因(3)
00: 15: 17 情報が歪む原因(4)
00: 15: 21 情報が歪む原因(5)
00: 16: 40 情報が歪む原因(6)
00: 16: 42 情報が歪む原因(7)
00: 18: 12 証言の信憑性(1)
00: 18: 34 証言の信憑性(2)
00: 20: 07 証言の信憑性(3)
00: 20: 48 証言の信憑性(4)
00: 21: 09 誤導情報効果
00: 23: 07 歪んだ情報を広めたくなる原因(1)
00: 23: 16 歪んだ情報を広めたくなる原因(2)
00: 26: 05 歪んだ情報を広めたくなる原因(3)
00: 27: 00 歪んだ情報を広めたくなる原因(4)
00: 28: 54 情報の種類(1)
00: 29: 07 情報の種類(2)
00: 29: 09 情報の種類(3)
00: 29: 12 情報の種類(4)
00: 31: 08 事実である確率が高い情報とは(1)
00: 31: 42 事実である確率が高い情報とは(2)
00: 33: 36 事実である確率が高い情報とは(3)
00: 35: 15 事実情報として確認する際の留意点(1)
00: 37: 47 事実情報として確認する際の留意点(2)
00: 39: 27 事実情報として確認する際の留意点(3)
00: 40: 19 事実情報として確認する際の留意点(4)
00: 41: 47 信じやすい人(1)
00: 43: 22 信じやすい人(2)
00: 45: 02 信じやすい人(3)
00: 46: 00 信じやすい人(4)
00: 46: 32 どのような情報を信じるか
00: 50: 14 無意識的な情報の取捨選択(1)
00: 51: 22 無意識的な情報の取捨選択(2)
00: 52: 27 無意識的な情報の取捨選択(3)
00: 53: 34 認知的複雑性(1)
00: 54: 32 認知的複雑性(2)
00: 57: 50 まとめ(1)
00: 58: 16 まとめ(2)
00: 58: 43 まとめ(3)
講師紹介: 川上 真史(かわかみ しんじ)
ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 グローバル経営学科 専任教授 同 大学院 経営学研究科 教授 Bond大学大学院 非常勤准教授 株式会社タイムズコア代表 明治大学大学院兼任講師 株式会社ヒュ-マネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産業能率大学総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループ、タワーズワトソン ディレクター、株式会社ヒューマネージ 顧問など経て、現職。
数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。
近著に『コンピテンシー面接マニュアル』、『できる人、採れてますか?―いまの面接で、「できる人」は見抜けない』(共著・弘文堂)、『仕事中だけ「うつ」になる人たち―ストレス社会で生き残る働き方とは』(共著・日本経済新聞社)、『会社を変える社員はどこにいるか―ビジネスを生み出す人材を育てる方法』、『自分を変える鍵はどこにあるか』、『のめり込む力』(ダイヤモンド社)、『最強のキャリア戦略』(共著・ゴマブックス)など。

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  アシスタント:田幸 知有紗

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