顧客の購買プロセスがどのように変わってきたかを理解することで、営業スタイルも適応していかなければ企業は取り残されていく。マーケティングオートメーションでは、Webアクセスやリンク先へのクリック、動画の閲覧、メール開封、アプリのダウンロード等、さまざまな行動を追跡することで顧客の関心事や関心度合いを分析できる。顧客が求めている情報を適切に提供するとコミュニケーションが取れるようになる。
マーケティング組織は、Webサイト担当、SNS担当、イベント担当のように構成されることが多いが、おのおのが顧客にアプローチするとノイズとして取られる場合もあり、うまく調和を取ってタイムリーな情報を届けることがリーダーには求められる。マーケティングの役割は見込み客を次のステージに進めること。施策・コンテンツをつくって顧客を動かすのではなく、顧客を動かすためにどのような施策・コンテンツをつくるか、「木を見て森を見ず」にならないように考える順番を間違えないことがポイントだ。
不信(どんな会社か分からない)・不要(そもそも必要でない)・不適(他社より良いか分からない)・不急(いま必要でない)という段階を抜けることで購買につながるため、それぞれを意識して取り組む。受注に結び付かなかった見込み客は飛躍的に増大するが、コストをかけずに獲得できる商談機会であり、未受注となった理由別に整理、フォローアップを自動化して再アプローチする。
インサイドセールスは見込み客に内勤で営業活動をするが、工程管理でいう検品作業に当たる。マーケティングオートメーション登場後、単なるアポ取りではなく効率よく数をこなし、マーケティングと営業の間を取り持つつなぎ役となっている。営業に渡した件数がそのまま受注に直結するとは限らないため評価は難しいが、上司は数字だけでなく普段の活動に目配りが必要だ。インサイドセールスは、企業のブランディングにも影響を与え、商談供給の調整弁ともなるため、外注せずに自社で育てていくことが大切であろう。