論理的思考を養うために必要なことは何か? マニュアル思考に慣れた若い世代だけでなく、日本では企業経営者の間でも論理的な問題解決能力が低下している。問題を解決するには、表層的な「現象」に対処療法を行うのではなく、深い所にある本質的な問題点を発見・解決することが必要。適切な意思決定を行うため、ファクトに基づいて問題を発見・解決する思考法について、本分野の第一人者である大前研一が解説する。
企業経営において適切な意思決定を行うためには、ファクトに基づいて問題を探し、それを解決することが重要である。だが、ファクトを見ないのが日本の伝統であり、特に、マニュアルに従うことに慣れ親しんだ昨今の若い世代では、問題解決能力が低下していることが懸念されている。また、経営者もかつてはQC/TQCといった論理的な問題解決手法を製造部門で活用してきたが、それを米国企業のように全社・全部門的な活動に広がることができず、問題解決の思考法が消えてしまった。また「何が問題か?」「誰の問題か?」という部分があいまいにされ、政府の郵政民営化論のように、意思決定の入り口で方向を誤ってしまうことも散見されるようだ。 問題解決にはレイヤーがある。表層的な個々の「現象」に対して対処療法を行うだけでは問題は解決しないのであって、深い所にある本質的な問題点を発見し、解決することが重要となる。本質的な問題を解決するため、経営者は、「時間がない、人がいない」などの制約条件を言い訳にせず、それを突破することに注力すべき。また、「What if」と、万が一事態が悪化したケースを想定して戦略的代替案を用意することも重要だが、それがなかなかできないのも、日本人が論理的な思考が苦手なことを端的に示している。たとえば、外資のリップルウッドは、旧長銀買収にあたり「What if」と代替案を入念に準備したために非常によい結果を生んだのである。 論理的思考を磨く訓練として、「雪印再建のためのベストな戦略」「佐藤工業の倒産を防ぐためにするべきこと」などをケーススタディとして、本質的な問題解決の方法を考えてみることを講師は勧める。国全体や制度を変えようと思ってもなかなか変わらない。気がついた所、気がついた人から変わることが肝要だと説くのである。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 企業経営の意思決定ロジカルマネジメント 00: 00: 19 意思決定のロジカルマネジメント 00: 10: 02 日本人の問題解決能力 00: 16: 58 経営者の問題解決能力 00: 21: 29 問題解決のプロセス 00: 24: 30 前提条件 00: 28: 10 本質的問題点の発見 00: 33: 54 制約条件の打開 00: 36: 37 戦略的代替案・What if 00: 40: 31 戦略的代替案・What if 00: 44: 25 例題 00: 47: 56 雪印乳業にとってベストな提携先の選定 00: 48: 08 雪印乳業の制約条件の打開 00: 49: 33 佐藤工業の本質的な問題の発見 00: 50: 01 佐藤工業のベストな提携先の選定 00: 52: 13 佐藤工業の決断すべきタイミング 00: 52: 48 例題