新田剛史氏は、株式会社ミクシィにて新規事業に従事し、SNSと実店舗の連動送客システムなどを開発した。2012年には、株式会社Showcase Gig(ショーケースギグ)設立し、外食、小売り領域におけるデジタルサービスの開発に着手。2013年より、国内初となる本格的なモバイルオーダープラットフォーム「O:der(オーダー)」の提供を開始した。
Showcase Gigでは、飲食・小売り業態における注文と決済に関する全ての要素を提供するプラットフォーム「O:der(オーダー)」を提供し、キャッシュレス、省力化などを実現している。テーブルオーダーサービスの「SelfU」は、顧客が自身のスマートフォンで注文・会計を行う。接客注文に集中しがちな業務を軽減し、少人数の店舗スタッフでもスムーズな運営を可能にした。例えば、和牛・焼肉・食べ放題の「肉屋の台所」では、7店舗でSelfUを導入し、オーダリングの全てを完結することで、約40%のホール工数削減を実現した。唐揚げ専門店の「とりサブロー」では、モバイルオーダー、キッチンディスプレイなどをシームレスにネット連携し、混雑時の高速提供を実現した。全20店舗において、売り上げ構成比の20%以上がO:der経由になっている。JR東日本が運営する池袋のR・ベッカーズでは、タッチパネルで注文し、交通系電子マネー「Suica」などのキャッシュレス決済を行うセルフ注文決済端末「O:der Kiosk」を設置、モバイルオーダーやデジタルサイネージとも連携した未来型店舗の先駆けとして営業を始めている。
世界では、luckin coffee、Amazon、マクドナルドなど、オンラインとオフラインが融合し垣根がなくなるOMO(Online-Merges Off-line)店舗が増加し、キャッシュレス社会が急速に広まっている。キャッシュレスは、より暮らしやすい社会を実現するための通過点でしかない。事業者は、来たるべきキャッシュレス社会を前提に自社ビジネスを再構築し、さらなる成長を目指していただきたい。