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企業と心理学 > 企業と心理学 20

罰とプレッシャーの心理学


概要:
ご褒美や罰に応じて、自発的にある行動を取るように学習させることを、オペラント条件付けと呼ぶ。箱に入れたネズミに、自分でレバーを押すと餌が出ることを覚えさせ、その後はレバーを押すと電気ショックが来るようにした、行動分析学の創始者バラス・スキナーの実験が知られている。わが国では、学校教育や人材育成の場で、罰やプレッシャーを与えることで向上を促す手法がまだ散見されるようだが、果たして有用だろうか。当シリーズ第20回目は、罰やプレッシャーを用いることの課題や効果にフォーカスしていく。
罰とは、犯してしまった罪や問題の大きさに対して、相殺、清算、反省を促す、気持ちを楽にさせる等の理由で与えるものだが、両者のバランスを取ることは非常に難しい。暴力や食事を与えないなどの身体的なもの、叱責や無視などの精神的なもの、罰金や減給などの経済的なもの、評価や認知を下げるなどの社会的なもの等々やり方は多岐にわたる。

とはいえ、罰には一時的、短期的な効き目しかない。繰り返せば相手の慣れも生じる。与える側も不快になる。権威に対する反感や注目を集めたいなどの心理から、かえって罰を引き出すことを期待する場合もある。問題行動等を抑止できても、ポジティブ行動は生まれてこない。親や教育者、上司などの上位者は、安易に、無意識に罰を与えていないか細心の注意が必要だ。下手をすれば一人の人間をつぶしてしまいかねない。職場においては、パワーハラスメントへ発展しやすい。罰を与えることが効果を上げるのは、意図せず思わず叱ってしまったときだろう。素直な感情から出た言葉は、意外に通じるものだ。

条件付けをせずにネガティブ行動を除去するには、まず問題行動に関与する刺激を特定することが必須になる。立ち向かうべき本来のプレッシャーを明確にすることも不可欠だ。次にポジティブな行動へ結び付ける。望ましい行動を行うことそのものに含まれる報酬を認知させることがポイントだ。やっていて面白いとなれば、もう軌道に乗ったも同じだろう。あとは定着化を図ればいい。

罰を与えることは簡単だが、相応の効果を上げることはかなり難易度が高い。動機付けや育成にとって有益ではないだけではなく、むしろ副作用が出て逆効果になるケースも多い。それよりも、相手に興味関心を持たせるアプローチを選ぶことが、よりよい人間関係の構築においては望ましい。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 罰とプレッシャーの心理学
00: 00: 41 企業と心理学 #20「罰とプレッシャーの心理学」
00: 03: 48 条件づけ(1)
00: 03: 52 条件づけ(2)
00: 05: 24 罰と褒美(1)
00: 05: 28 罰と褒美(2)
00: 05: 32 罰と褒美(3)
00: 05: 34 罰と褒美(4)
00: 06: 02 罰と褒美(5)
00: 06: 17 罰と褒美(6)
00: 08: 08 正の罰と負の罰(1)
00: 08: 16 正の罰と負の罰(2)
00: 08: 20 正の罰と負の罰(3)
00: 11: 17 罰の種類(1)
00: 11: 33 罰の種類(2)
00: 11: 41 罰の種類(3)
00: 12: 05 罰の種類(4)
00: 12: 07 罰の種類(5)
00: 12: 47 罰の種類(6)
00: 12: 49 罰の種類(7)
00: 13: 58 罰の種類(8)
00: 14: 00 罰の種類(9)
00: 17: 24 罰の課題(1)
00: 18: 06 罰の課題(2)
00: 20: 46 罰の課題(3)
00: 23: 05 罰の課題(4)
00: 26: 11 罰の課題(5)
00: 26: 57 罰の課題(6)
00: 28: 24 罰の課題(7)
00: 29: 28 そもそも罰とは
00: 32: 46 罰が効果をあげるとき(1)
00: 34: 25 罰が効果をあげるとき(2)
00: 35: 35 罰が効果をあげるとき(3)
00: 37: 21 罰が効果をあげるとき(4)
00: 38: 59 罰による行動抑制の副作用(1)
00: 39: 40 罰による行動抑制の副作用(2)
00: 40: 47 罰による行動抑制の副作用(3)
00: 41: 50 罰による行動抑制の副作用(4)
00: 44: 22 ネガティブ行動を除去するために(1)
00: 46: 42 ネガティブ行動を除去するために(2)
00: 48: 29 ネガティブ行動を除去するために(3)
00: 52: 03 ネガティブ行動を除去するために(4)
00: 52: 28 罰か褒美か
00: 53: 47 本来立ち向かうべきプレッシャー(1)
00: 55: 40 本来立ち向かうべきプレッシャー(2)
00: 56: 50 本来立ち向かうべきプレッシャー(3)
00: 57: 25 本来立ち向かうべきプレッシャー(4)
00: 59: 01 まとめ(1)
00: 59: 09 まとめ(2)
00: 59: 21 まとめ(3)
講師紹介: 川上 真史(かわかみ しんじ)
ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 グローバル経営学科 専任教授 同 大学院 経営学研究科 教授 Bond大学大学院 非常勤准教授 株式会社タイムズコア代表 明治大学大学院兼任講師 株式会社ヒュ-マネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産業能率大学総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループ、タワーズワトソン ディレクター、株式会社ヒューマネージ 顧問など経て、現職。
数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。
近著に『コンピテンシー面接マニュアル』、『できる人、採れてますか?―いまの面接で、「できる人」は見抜けない』(共著・弘文堂)、『仕事中だけ「うつ」になる人たち―ストレス社会で生き残る働き方とは』(共著・日本経済新聞社)、『会社を変える社員はどこにいるか―ビジネスを生み出す人材を育てる方法』、『自分を変える鍵はどこにあるか』、『のめり込む力』(ダイヤモンド社)、『最強のキャリア戦略』(共著・ゴマブックス)など。

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  アシスタント:田幸 知有紗

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