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企業と心理学 > 企業と心理学 14

リカレント教育


概要:
リカレント教育とは、基礎的な学業を終えて職に就いた後でも、再び教育機関で学ぶことを推奨する概念だ。スウェーデンの経済学者レーンが提唱し、1968年のヨーロッパ文科会議で言及されたことから世界に浸透していった。1970年、経済開発協力機構(OECD)の教育政策会議でも取り上げられたが、当時の日本では広がらなかった。シリーズ第14回目は、人生100年時代を迎え、近年企業の中でも注目されつつあるリカレント教育について、心理学的視点を入れつつ、効果的な手法を解説していく。
私たちは、ブースター効果と呼ばれるシステムを持っている。一度つくられた免疫機能は、体内で抗体を形成する物質に再度触れることで、さらに免疫機能が高まる仕組みとされる。この性質を利用したのが、子どものインフルエンザやおたふくかぜ等の予防接種だ。心理学的には、要求度の高い仕事に接触した際、自分が十分な思考や能力などの資源を持っていると実感していれば、タスクがエネルギーとなって思い入れを増進させると言われている。されど、一度学んだ知識やスキルはじきに古びる。モチベーションの維持も長丁場だ。資源の枯渇で燃料切れを起こしたなら、リカレント教育に戻ってチャージすれば、ブースターが発動し、再び気力十分で物事に取り組むことが可能だろう。教育とは、人生のごく初期だけではなく、生涯にわたって必要なときに受けるものと再認識されている。

わが国のリカレント教育は低調だ。文科省の調査では、大学生のうち25歳以上が占める割合は、OECD平均20%に対し、日本は1.5%。社会人の大学院入学者数は、リーマン・ショック後の2008年をピークに減少している。授業料やその間の生活費など金銭的なハードル、仕事で忙しく時間がない、受け入れ側のコンテンツの問題等が課題に挙げられる。

グローバル化が促進されるビジネスにおいて、リーダーシップやマネジメント、実践的な専門性、真の教養、大人としての人格形成など、通常の高等教育の中では学べなかった項目が重要度を増している。知識偏重ではなく研究方法の習得も測る評価方法、既成の研究内容を否定、発展、応用できるそしゃく力、一般論や常識としての理論を自分の仕事に置き換えられる思考力等、学び直しの機会を得ることで獲得できるものは少なくない。企業、個人、教育機関それぞれに課題はあるが、もう一度教育を受けるのは普通のことだと捉える意識が日本全体に普及することを願う。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 リカレント教育
00: 00: 40 企業と心理学 #14「リカレント教育」
00: 01: 06 リカレント教育はいつ提唱されたのか(1)
00: 02: 26 リカレント教育はいつ提唱されたのか(2)
00: 03: 01 リカレント教育はいつ提唱されたのか(3)
00: 04: 16 リカレント教育とは
00: 08: 10 リカレント教育の重要性(1)
00: 09: 27 リカレント教育の重要性(2)
00: 11: 18 リカレント教育の重要性(3)
00: 13: 26 リカレント教育の重要性(4)
00: 14: 37 リカレント教育の重要性(5)
00: 15: 50 ブースター効果(1)
00: 16: 02 ブースター効果(2)
00: 17: 34 ブースター効果(3)
00: 18: 28 ブースター効果(4)
00: 20: 08 ブースター効果とリカレント教育(1)
00: 20: 25 ブースター効果とリカレント教育(2)
00: 20: 33 ブースター効果とリカレント教育(3)
00: 20: 51 ブースター効果とリカレント教育(4)
00: 20: 56 ブースター効果とリカレント教育(5)
00: 21: 13 ブースター効果とリカレント教育(6)
00: 21: 15 ブースター効果とリカレント教育(7)
00: 22: 53 リカレント教育の課題 (文科省調査)(1)
00: 23: 16 リカレント教育の課題 (文科省調査)(2)
00: 23: 28 リカレント教育の課題 (文科省調査)(3)
00: 25: 01 リカレント教育の課題 (文科省調査)(4)
00: 25: 30 リカレント教育の課題 (文科省調査)(5)
00: 25: 39 リカレント教育の課題 (文科省調査)(6)
00: 28: 59 リカレント教育の課題 (文科省調査)(7)
00: 30: 28 リカレント教育の課題 (文科省調査)(8)
00: 31: 52 日本のリカレント教育(1)
00: 33: 05 日本のリカレント教育(2)
00: 33: 40 日本のリカレント教育(3)
00: 34: 17 なぜリカレント教育が浸透しないのか(1)
00: 34: 41 なぜリカレント教育が浸透しないのか(2)
00: 35: 23 なぜリカレント教育が浸透しないのか(3)
00: 36: 51 大学までの教育では多くの人が学んでいないこと(1)
00: 37: 38 大学までの教育では多くの人が学んでいないこと(2)
00: 38: 29 大学までの教育では多くの人が学んでいないこと(3)
00: 39: 08 大学までの教育では多くの人が学んでいないこと(4)
00: 40: 03 大学までの教育では多くの人が学んでいないこと(5)
00: 42: 19 実践的な専門性(1)
00: 42: 46 実践的な専門性(2)
00: 43: 32 実践的な専門性(3)
00: 43: 38 実践的な専門性(4)
00: 45: 46 実践的な専門性(5)
00: 45: 52 実践的な専門性(6)
00: 47: 28 リベラルアーツ(1)
00: 48: 03 リベラルアーツ(2)
00: 48: 16 リベラルアーツ(3)
00: 51: 11 自我とアイデンティティ(1)
00: 51: 21 自我とアイデンティティ(2)
00: 51: 57 自我とアイデンティティ(3)
00: 52: 20 自我とアイデンティティ(4)
00: 54: 26 自我の4条件 (C.G.Jung)(1)
00: 54: 29 自我の4条件 (C.G.Jung)(2)
00: 54: 37 自我の4条件 (C.G.Jung)(3)
00: 54: 38 自我の4条件 (C.G.Jung)(4)
00: 55: 06 自我の4条件 (C.G.Jung)(5)
00: 55: 07 自我の4条件 (C.G.Jung)(6)
00: 55: 17 自我の4条件 (C.G.Jung)(7)
00: 55: 19 自我の4条件 (C.G.Jung)(8)
00: 55: 49 自我の4条件 (C.G.Jung)(9)
00: 58: 30 まとめ(1)
00: 58: 46 まとめ(2)
00: 59: 09 まとめ(3)
講師紹介: 川上 真史(かわかみ しんじ)
ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 グローバル経営学科 専任教授 同 大学院 経営学研究科 教授 Bond大学大学院 非常勤准教授 株式会社タイムズコア代表 明治大学大学院兼任講師 株式会社ヒュ-マネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産業能率大学総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループ、タワーズワトソン ディレクター、株式会社ヒューマネージ 顧問など経て、現職。
数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。
近著に『コンピテンシー面接マニュアル』、『できる人、採れてますか?―いまの面接で、「できる人」は見抜けない』(共著・弘文堂)、『仕事中だけ「うつ」になる人たち―ストレス社会で生き残る働き方とは』(共著・日本経済新聞社)、『会社を変える社員はどこにいるか―ビジネスを生み出す人材を育てる方法』、『自分を変える鍵はどこにあるか』、『のめり込む力』(ダイヤモンド社)、『最強のキャリア戦略』(共著・ゴマブックス)など。

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  アシスタント:田幸 知有紗

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