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人生を豊かにする教養 ~中国の古典を読む~ > 人生を豊かにする教養 ~中国の古典を読む~ 02

資治通鑑・概論


概要:
中国では歴史書がよく読まれており、中でも『資治通鑑』は、488冊の中国書が出版されているほどなじみ深い存在だ。戦国時代から五代末まで約1400年間の歴史を描いた内容は、政治、経済、軍事、地理、学術等、多岐にわたるため、各分野のケーススタディーになることも少なくない。一方、日本語訳は数冊の部分訳があるのみで、日本人にはほとんど知られていないのが実態だ。なぜ中国では親しまれ、日本では読まれないのだろうか。当書の詳しい記述内容や、日本人にとって歴史書から学ぶべき点等を、本講座で探っていく。
中国歴史書の代表的なものを挙げると、春秋時代に書かれた『春秋左氏伝』、神代から前漢・武帝までを書いた『史記』、4千年の歴史書『二十四史』等がある。『資治通鑑』は紀元前403年から959年までの歴史書で、全294巻、1万ページ、登場人物は5万人という壮大なもの。司馬光が朝廷の命により20年要してつくり、胡三省が30年かけて注釈をつけた。日本の歴史書は、悪い側面を載せることはほとんど見られないが、中国は伝統的に「悪」の部分をはっきり書いている。司馬光も理念に走ることなく、『資治通鑑』には善悪問わず実態を網羅的に記した。文章のスタイルは、年代を追って書く「編年体」のかたちを取り、当書が編さんされた宗代から印刷術が開発されたことで、一般的に広く発刊、朝廷の全面的支援を得て、『史記』に続き重要書物として認められた。編集には『十七史』までをまとめてつくった資料「長編」を使ったが、相当なボリュームになったという。実際に600巻にもなった「長編」だが、司馬光はこの資料を約8分の1まで圧縮させた。

『資治通鑑』には政治、経済、庶民の生活までが実態として書かれており、真の中国を知るための必読本、当書を読まずして中国は語れないだろう。例えば、当時の仏教徒の間違った考え方が書いてあるが、悪い修行をやめさせる意図があるものと推測できる。経済面では、赤字と黒字を使った会計簿を記し、後世へシステム化経済のヒントを与え、生活面では忍耐ということの重要性が感じ取れる。読者は書を理念で理解するのではなく、実態を読んでバーチャル体験をし、自分の感覚、感性、言葉で理解することが重要だ。ただ、負の面として生き地獄のような残酷な事実も入っているが、良悪な表現ともわずかな文字数で情景がはっきり浮かでくるような文章力があることも、『資治通鑑』のよさだろう。手軽に読める本として『資治通鑑に学ぶリーダー論』『本当に残酷な中国史』等があり、当書の中にあるリーダー論を知り、人として品格を磨く上でも、興味深く読めるだろう。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 資治通鑑・概論
00: 01: 07 目次
00: 01: 38 中国の歴史書 資治通鑑の位置づけ
00: 08: 47 中国の歴史書 『春秋左氏伝』『史記』
00: 12: 39 資治通鑑とは 全294巻、1400年、1万ページ、登場人物・5万人
00: 17: 49 司馬光 (AD 1019 - 1086) 『資治通鑑』
00: 19: 18 『資治通鑑』 中国書は全部で488冊!
00: 21: 07 日本語の資治通鑑 全訳なし、部分訳少ない
00: 24: 49 資料
00: 27: 17 資治通鑑の意義 宋代の印刷術の発展
00: 32: 34 資治通鑑の編集 収集資料の 1/8 しか使っていない!
00: 35: 28 何が書いてあるのか? 中国の実態
00: 43: 21 資治通鑑の記事選択基準 内藤湖南、朱子、竹内照夫の意見
00: 48: 12 生活実態、処世の信条 仕事ホーリックの徐勉、忍を信条とした張公芸
00: 53: 25 中国の負の面(ネガティブ面) 生き地獄
00: 56: 50 資治通鑑の文章力の凄さ わずか数文字でくっきり描写
講師紹介: 麻生川 静男(あそがわ しずお)
リベラルアーツ研究家

1980年京都大学大学院工学研究科卒業後、住友重機械工業株式会社に入社。
システムエンジニアーを経て、データマイニング事業を遂行。ミュンヘン工科大学、カーネギメロン大学工学研究科に留学。徳島大学大学院工学研究科にて博士(工学)取得。複数のITベンチャーの顧問歴任後、2008年京都大学産官学連携本部のIMS寄付研究部門・准教授。2010年「リベラルアーツ教育によるグローバルリーダー育成フォーラム」を設立し、運営する。

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  アシスタント:倉見 慶子

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