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新時代のバイオベンチャー > 新時代のバイオベンチャー 03

ゲノム編集・新バイオマテリアル
ゲスト:森田晴彦氏(エディジーン株式会社 代表取締役CEO)
    西川靖俊氏(オルソリバース株式会社 代表取締役社長)


概要:
4回シリーズの後半2回は、非上場企業のバイオベンチャーを紹介する。今回はゲストを2人迎え、前半は「切らないCRISPR」技術を展開するエディジーン株式会社の森田晴彦氏に、新しい遺伝子治療法としてゲノム編集の話を、後半は整形外科手術用人工骨の製造販売を米国からスタートさせたオルソリバースの西川靖俊氏に、新マテリアル部門の開発動向を聞く。両者はいずれもバイオ技術を独自のサイエンスで開発、米国より研究や販売をスタート。希少疾患への利用も可能であることから、早期の世界的普及が待たれる。
2016年、エディジーンは東京大学の濡木理氏によるゲノム技術を基に設立、研究拠点は、ヘルスケアの知能と情報が集まるボストンのケンブリッジに置いている。ゲノム編集に使う技術は、CRISPRという遺伝子疾患を起こす遺伝子コードの間違った配列と、細胞内タンパクのオン・オフにアプローチし、配列コードを正常化させる方法だ。これまで欧米3社が開発をリードしていたが、エディジーン社はスイッチングの制御に注目し、新たに世界初の「CRISPR GNDM」という技術開発を進めている。従来型はガイドRNAによってターゲット遺伝子を決めると、Cas9酵素が付着しマーキング箇所をカットする方法だったが、新技術はCas9を切れないように改編し、遺伝子のスイッチングを制御するタンパクを連結して選択的にオン・オフできるよう改良した。森田氏によると、現在、解明されている約7千の疾患のうち6千は遺伝子疾患なので、ゲノム編集の各創薬に横展開できる技術を生かすと共に、世界最速でCRISPR医薬を上市させることが目標だという。

オルソリバースは、整形外科用人工骨の製造販売を主事業として2011年設立、2015年、米国で販売開始、翌年、ボストンで代理店を開いた。西川氏は前職の企業コンサルタント時代、人工骨の案件を持ち込まれたが、日本初の技術を世に出す使命感から起業を決意した。人工骨の材質は、金属、非置換材のHAP、置換型吸収材のTCPと変遷、形状も顆粒、シート状とし、現在はオルソリバースの「ReBOSSIS」が最先端だ。特徴は骨形成機能、吸収性に加えて綿形状であること。綿であれば血液への混入や細かい患部にも適用可能で、手術時間の短縮と精度向上につながると、ドクターにも好評だ。リリースは欧州、ロシア等で認証申請を開始し、国内では産学と連携しながら2020年販売目標だという。前者のゲノムは、ノーベル賞級の科学を利用した最新技術で患者救済が期待でき、後者は人工骨から再生医療へも展開が可能。今後の活躍を大いに期待したいと、講師は最後を結んだ。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 ゲノム編集・新バイオマテリアル
00: 00: 45 シリーズ一覧
00: 01: 38 最新のバイオテック・メドテック(ヘルステック)分野の概念図(1)
00: 02: 09 最新のバイオテック・メドテック(ヘルステック)分野の概念図(2)
00: 02: 50 ゲストプロフィール(森田晴彦氏)
00: 03: 38 「切らない」CRISPR創薬技術 CRISPR-GNDMについて 技術および会社概要
00: 03: 56 EdiGENEはCRISPR技術をベースに設立された東大発ベンチャー
00: 05: 13 Cambridgeのバイオテック銀座の真ん中に米国研究拠点
00: 06: 07 Cambridgeの立地は優秀な人材へと最新の情報へのアクセスを可能に
00: 07: 13 時代は今、CRISPR
00: 07: 59 CRISPR(ゲノム編集)は遺伝子治療法開発にブレークスルーをもたらす強力な技術
00: 10: 10 ターゲット毎に切断酵素を設計しなければならない前世代の技術に対して、・・・
00: 12: 26 CRISPRゲノム編集では欧米3社がそれぞれ300億円以上を調達して開発をリード
00: 13: 18 3社とも巨額のディールを製薬会社と成立させている
00: 14: 28 2012年のCRISPRビッグバンのあと、現在の「エッジ」は周辺技術と用途
00: 15: 46 同じ個体の細胞は同じ設計図(遺伝子)を持っているはずなのに筋肉、眼、神経など・・・
00: 17: 59 ガンを含む遺伝子疾患は遺伝子の変異あるいはスイッチ異常によって生じる
00: 18: 42 構造の深い理解から生まれた「切らない」CRISPR技術= GNDMシステムは・・・
00: 20: 07 AAVに積み込みたいものはゲノム編集でも制御でも山ほどある。それなのに…
00: 21: 11 CRISPR-GNDMシステムは
00: 22: 07 遺伝のON/OFF制御で治療を実現
00: 22: 38 下流や代替遺伝子のONによってその他のパターンについてもアプローチ可能
00: 23: 03 自社パイプラインの他にプラットフォーム提供を実施している
00: 23: 29 3つの収益モデルで事業機会を生む
00: 24: 02 EdiGENEが目指すのは
00: 27: 16 世界には7000もの疾患があるが、未開発の疾患のほとんどを占める希少疾患の・・・
00: 28: 48 万能と思われるゲノム編集も、Low Hanging Fruitsは限定的
00: 31: 21 ゲストプロフィール(西川靖俊氏)
00: 31: 59 ORTHOREBIRTH株式会社 概要
00: 33: 34 人工骨とは?
00: 34: 50 ReBOSSIS (レボシス) ~整形外科用人工骨~
00: 37: 10 従来技術との比較(形状と成分)
00: 43: 59 従来製品との比較
00: 46: 49 沿革と人工骨開発の推移 ~設立から3年で承認、そして販売開始~
00: 49: 25 今後の販売展開目標
00: 51: 50 綿形状人工骨との出会い
00: 55: 59 これからの事業展開 ~綿形状の足場材技術を活かして~
00: 58: 03 新時代のバイオベンチャー(3)まとめ
講師紹介: 小南 欽一郎(こみなみ きんいちろう)
テック&フィンストラテジー株式会社 代表取締役

1994年 東京大学大学院博士号(理学)取得後、英国王立癌研究所に留学
1998年 九州大学生体防御医学研究所にて助手(分子生物学)
2001年 野村R&A(野村證券)調査部にてIPO調査、及び投資部にて24社の バイオ企業投資を行う(内12社上場済み)
2015年 みずほ証券国内営業部門法人グループ法人営業推進部戦略調査室 ディレクターとして、IPO調査、産学連携を担当。
2017年 テック&フィンストラテジー株式会社設立。ベンチャー企業のIPOコンサル、 大手企業の新規事業進出支援、ベンチャーキャピタル・金融機関支援などを 手がける

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  アシスタント:坂本 安代

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