バランスシートは、左側が資産の部、右側は負債の部と純資産の部で構成され、「資産=負債+純資産」で左側と右側が必ず等しくなる。純資産には株主出資と利益剰余金があり、自己資産に当たる。全体に占める負債が何%あるかで自己資本比率が決まる。負債には流動負債(短期的な借金)と固定負債(長期的な借金)、資産にも流動資産(お金)と固定資産(物)がある。
バランスシートを読むときは大きな数字に着目することが大切だ。株式会社オリエンタルランドのバランスシートを見ると、負債が21%、株主出資が21%、剰余金が58%となっており、自己資本が約8割で利益率が非常に高い筋肉質な経営だと評価できる。資産に占める最も大きな数字は「建物及び構築物」であり、調達した資金や利益を建造物に投資していることが分かる。「機械装置」も大きいが、減価償却が終わりつつあり、そろそろ新しく次の機械を投入されそうだと読める。次に大きな数字は「現金及び預金」で、入園料や物販等、集客による収入が大きいことを示す。「受取手形及び売掛金」の割合が小さいのは、付設ホテルや商業施設でも個人客が多く、クレジット払いにしても売掛金としては1カ月程度の遅れで済み、同社がB to C(企業と一般消費者の取引)であることを裏付けている。
損益計算書(P/L)は、収益から費用を差し引いた利益を見るもの。内訳としては、売上高から売上原価を引いた売上総利益(粗利)、売上総利益から販売費および一般管理費を引いた営業利益(本業による利益)、営業利益から営業外収益や費用を差し引きした経常利益、経常利益から特別損益を差し引いた税引前当期純利益、税引前当期純利益から法人税・住民税および事業税を引いたのが当期純利益となる。売上高が高くても原価が高ければ利益は少なくなる。売上総利益は人件費も含まれるため、従業員に給料として還元されているか等、付加価値に比例する。営業利益は本業のもうけを表す。経営分析には売上総利益と営業利益がしっかり出ているか、割合を見ることがポイントとなる。