企業には、目標達成のために何をすべきか逆算行動して成果を出すという考え方がある。一方、アクションを起こして作用が出るまでの過程が複雑で長くなると、正しい行動を取っていれば結果は後からついてくるというプロセス重視の思考にならざるを得なくなる。意思決定では、行き着く先の影響要因が現時点で良い面・悪い面の偏りなく、よく見えていれば論理的に行い、見えない部分の予測は脳トレーニングで向上可能だ。
仕事経験を積むことで個人は成長する。同じ経験をしても学ばない人もあり、学ぶ姿勢や取り組み方は重要だ。応用を利かせるためには、経験では習得できない基礎理論や歴史的背景等を勉強する必要がある。計画を立てる時点で、不測の事態に備えた準備までしておくと臨機応変に対応できる。試行錯誤は学びのプロセスでもある。体系的理論的知識は学習効率を上げ、観察・分析・行動・学習サイクルを習慣化すると思考行動特性が向上する。知識を披露するためだけのアウトプットでは意味がなく、インプットをアウトプットに結び付けることで腹落ちにつながる。先生がいなくても物事は学べるが、仕事は上から下へ技術指導するという日本独特の伝統や、育ててもらうことへのゆがんだ期待が主体的に学ぼうとする独学の弊害になった。
独学者同士が集団となり、横で学び合うことが効果を高める。専門性がないと成果が出ない職種や仕事は増えているが、専門性は手段にすぎず、顧客獲得などの成果に結び付けられるプロフェッショナルが求められている。各分野でナンバーワンになるには努力と才能が必要だ。二つ以上で、まれな組み合わせになる強みを持つことでオンリーワンになれる。クランボルツ教授の「計画的偶発性理論」では、個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定されるが、偶然を待つのではなく計画的に設計し、偶然を引き寄せる習慣を身に付けることが大切だと説く。単純にどちらを選択すべきかではなく、先を見据え、立場や状況に応じた柔軟な行動が肝心である。