ビジネス・ブレークスルーHOMEへ | 会社概要 | BBTサービス一覧 | サイトマップ | BBTサイトについて | お問い合わせ一覧 |

ログイン
【HD】内田和成のビジネスマインド > 内田和成のビジネスマインド 82

最新経営用語を学ぶ(8)
信用経済


概要:
信用経済というのは、もともと信用を基にして成り立っている企業の取引実態を指す経済学用語であるが、近年、食べログに代表されるように、ユーザー側が評価の担い手となってネット情報が一定の信用力を持つようになり、さらには個人の社会的評価や信用スコアにまで用途が広がっている現状を指すようになった。これまでの定型的な個人情報に加え、SNSなどを通じてあらゆる活動履歴が点数化される動きは幅広い便益を提供する一方で、個人の格付けを固定化し、国家による個人統制も懸念される。信用経済の光と影を追う。
現在、商品を購入したり飲食店や宿泊施設を選んだりする際、食べログ、@COSME、アマゾン、価格.comなど他者の経験の書き込みによって評価を点数化するレビューサイトを多くの人が参考にする。SNSの普及により情報はさらに拡散、従来、企業側の情報しか消費者に届かなかった評価がユーザー側から発信されるようになった点は大きな変化だ。

シェアリングビジネスが次々に生まれ、タクシー配車ビジネスのウーバー・テクノロジーや、宿泊施設紹介サイト運営のAIRbnbなどでは、顧客側からサービス提供者のみならず、業者側も客を評価、双方向で格付けする流れが普及しつつある。

中国では、総合ネットビジネスを展開するアリババグループが、350点から900点の間で個人評価を点数化する「芝麻信用(Sesame Credit)」の仕組みを編み出した。支払い実績、資産・収入状況だけでなく、SNSから収集した行動志向・思想・人間関係も含めた幅広い個人像が総合評価される。数値が高ければ各種サービスで優先され特典が付く一方、低い評価ではローンが組めない、就職に不利に働く等の影響が出る。一度低評価されるとなかなか上位層へ上がれないなど個人評価の固定化につながりかねないため、芝麻信用の活用に中国政府が一定の制限をかけるようになったことは注目に値する。

データ流通社会における信用経済では、企業側は個人信用情報収集が低コストで実現できるメリットがあるが、ユーザー側にとっても点数評価があればさまざまな生活シーンで使える利便性はかなり大きい。半面、特定IT大企業や国家が個人情報を一手に支配する懸念が顕在化し、ひいては体制側による言論・思想統制まで至るプライバシー消滅危機すら指摘される。スコアアップを目指す行動を必要以上に誘発する弊害も出てきた。欧州ではGDPR(一般データ保護規則)を制定、米国系企業による個人データ使用に一定の歯止めをかけた。日本は政府主導で情報銀行を提唱、個人が個人情報をコントロールでき、情報使用に対価を求める仕組みを検討中だ。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 信用経済
00: 00: 42 内田和成のビジネスマインド 最新経営用語を学ぶ(8)
00: 00: 45 今回のトピックス
00: 01: 12 個人情報に関わる様々な動き
00: 03: 26 最近よく聞く言葉
00: 04: 00 本日の内容(信用経済とは)
00: 05: 28 レストランの選び方
00: 08: 01 レビューサイト
00: 08: 38 レビューの数々
00: 13: 25 レビューサイトの実力
00: 15: 45 格付け社会の台頭
00: 17: 58 Uberのレーティング
00: 18: 49 【再掲】格付け社会の台頭
00: 21: 42 芝麻信用(Sesame Credit)のしくみ
00: 22: 39 芝麻信用スコア例
00: 23: 03 【再掲】芝麻信用(Sesame Credit)のしくみ
00: 26: 04 スコアによるステータスランク
00: 26: 36 得られるメリットとデメリット(例)
00: 28: 40 ネットスコアの特徴
00: 31: 33 ウーバーやAirbnbの事例
00: 34: 24 従来型与信システム
00: 38: 32 信用経済とは
00: 40: 56 信用経済のメリット
00: 42: 36 本日の内容(信用経済の光と影)
00: 42: 50 アリババ経済圏
00: 45: 32 アリババ経済圏の実力
00: 46: 27 個人情報の扱い
00: 48: 36 個人格付けの課題・影
00: 51: 54 情報銀行のしくみ
00: 54: 39 ジェイスコア
00: 57: 53 信用経済 まとめ
講師紹介: 内田 和成(うちだ かずなり)
早稲田大学ビジネススクール 教授
東京大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空株式会社を経て株式会社ボストン コンサルティング グループ シニア・ヴァイス・プレジデント、現在に至る。
ハイテク企業、情報通信サービス企業を中心に、マーケティング戦略、新規事業戦略、中長期戦略、グローバル戦略策定等のコンサルティングを数多く経験。

『内田 和成』をamazon.co.jpで検索
  アシスタント:黒崎 瞳

Copyright(c)