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【HD】内田和成のビジネスマインド > 内田和成のビジネスマインド 80

内田流ものの見方(25)
グローバル市場における日本企業のチャレンジ


概要:
グローバル市場に打って出ようとする日本企業は増えてきてはいるが、現地でのオペレーションに苦労する例もまた多い。歴史的に他国とのあつれきが少ない日本のような均質的社会は、言葉の意志伝達より和の精神が重要視され、言語での主張から始まるグローバル世界での異質社会とは本質的にぶつかり合う点を認識したい。日本企業は今後、多様な人材登用を進め、日本の常識を単純に現地法人に適用する姿勢を改めて権限委譲を強化し、素早い意思決定を可能にする必要があり、戦略ルール等は言葉を尽くしての説明が肝要だ。
グローバル戦略の要諦として見ると、日本企業の組織的課題として第一に挙げられるのは、日本市場の常識で全てを見てしまうことだ。東南アジアのある国では、調味料や紙おむつは小分けしないと売れないことがなかなか理解されなかった。また一般的に権限委譲されておらず、現地法人が日本本社の意向をうかがう結果、意思決定が他国企業に比べて著しく遅い。講師の内田氏はミャンマーで、日本は「NATO(No Action Talk Only)」と指摘されて驚いたことがある。さらに、日本国内の低成長が擦り込まれているために、新興国では当たり前の二桁伸長前提の予算と経費計画が受け入れられない、幹部人材の給与水準が世界標準と懸け離れている等も挙げられる。

一方で、世界を股に掛ける大手商社でさえ社内・社外取締役のうち外国人や女性はごくわずかである点も忘れてはいけない。食品世界大手ネスレの14人の取締役は人種も多様で女性も5人だ。コンサルティング大手アクセンチュアの調査によれば、出身国が異なる人材間で文化の違いを理解するためのトレーニングを実施している日本企業の割合はアジア企業に比べて大幅に低い数値となった。

米人類学者ホールは、世界の国は大きく、ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化に分けられるとする。前者は伝統文化が複雑化してあうんの呼吸が利く、日本に代表されるアジア系の国々であり、後者は言語化することによって初めて他に理解される欧米系の国だ。あるグローバルブランドランキングにおいて、欧米系はアップルやグーグルなどサービス業が上位にあるが、日本企業は、言語化がそれほど必要ない物づくり企業が大半を占めていることからも明らかであろう。自己紹介でも、欧米人や中国人は個人に重きが置かれるのに対して、日本は会社名や肩書など上位概念から入るのも特徴と言えよう。文化の違いを認識した上で、現地社会に解け込む努力を惜しまない女性や、本社とのあつれきを苦としない現地社員ほど、現場で信頼を得て活躍している事実もよく考えてみたい。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 グローバル企業における日本企業のチャレンジ
00: 00: 39 内田和成のビジネスマインド 内田流ものの見方(25)
00: 00: 43 今回のトピックス
00: 01: 29 グローバル戦略の要諦
00: 02: 11 日本企業の組織課題
00: 15: 35 本社で通らない現地発の提案(例)
00: 24: 22 Nestle Board of Directors 2018
00: 25: 44 日本企業の取締役 2018
00: 32: 57 グローバルブランドランキング
00: 37: 06 文化的な違い
00: 38: 44 外国人からみた日本人
00: 43: 50 自己紹介にみる日本人
00: 50: 37 所変われば人変わる
00: 56: 03 世界で活躍する日本人
00: 58: 33 グローバル市場における日本企業のチャレンジ まとめ
講師紹介: 内田 和成(うちだ かずなり)
早稲田大学ビジネススクール 教授
東京大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空株式会社を経て株式会社ボストン コンサルティング グループ シニア・ヴァイス・プレジデント、現在に至る。
ハイテク企業、情報通信サービス企業を中心に、マーケティング戦略、新規事業戦略、中長期戦略、グローバル戦略策定等のコンサルティングを数多く経験。

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  アシスタント:坂本安代

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