山口氏は、大学卒業後ITベンチャー企業を経て、2006年にリクルートへ入社。社内の新規事業コンテンストで優勝、受験サプリ(現スタディサプリ)の立ち上げを手掛けるなど活躍。2012年に統括部長、翌年ヒットビジネス本部本部長、2015年より現職となる。
部屋いっぱいにレゴを広げて遊ぶ子どもだったが、中学のころは夜中に家出を繰り返し、大学では大勢を動かす楽しさにのめり込んだ。横並びの就活を嫌って卒業後はパチンコに明け暮れるも、親に諭され第二新卒でIT系に就職。ネットサービスやマーケティングを学び、次に友人紹介でリクルートに入り教育系事業部で経営戦略を習得。反抗期を通じて人の包容力を実感でき、無謀な挑戦も一歩踏み出す勇気を持つことができた。結果、「ウェブサービス×ビジネスモデル×教育」でキャリアの三角形が描け、大きな投資を獲得した。
スタディサプリは、月額980円でスマホを使って学習できるアプリだ。地域や親の収入等による教育格差解消を目的に生まれた。小学校から高校3年まで対応し、昨年1年間で42万人が利用している。月額9800円でオンラインコーチが付くサービスも提供。教育熱が高まっている東南アジアや中南米の新興国にも展開。とりわけインドネシアは、日本と比べ人口総数に占める子どもの数が6倍、大学進学率はいまだ低いが絶対数では上回っている。同国では社員600人を抱え、16拠点で広くサービスを普及させている。
10年後に仕事があるかどうかは、いかに自分なりの希少性を確立できるかが鍵になる。100分の一人となる、それぞれ三つのキャリアを掛け算し、100万人に一人のビジネスパーソンを目指そう。AIはデータ分析を得意とする。人間は温かさと、解のない問いに立ち向かう行動力を持っている。情報編集力を鍛え、人としての強みを盤石にしていこう。藤原氏の著書『10年後、君に仕事はあるのか?』も一読されたい。