ビジネス・ブレークスルーHOMEへ | 会社概要 | BBTサービス一覧 | サイトマップ | BBTサイトについて | お問い合わせ一覧 |

ログイン
製造業における価値づくり経営 > 製造業における価値づくり経営 03

顧客価値創造:消費財


概要:
必要な機能を満たす、似たような商品が大量に生産される近代では、カタログを超えた暗黙的な顧客価値が重要になっている。企業には、Science、Engineering、Design、Artが統合した価値を創造するSEDAモデルの導入が不可欠だ。統合的な価値を生み出すには、デザインエンジニアを育成配置するなど、統合的な組織アプローチが必要になる。ホンダのLPL(Large Project Reader)など、商品コンセプトリーダーに意志決定を任せられるかが鍵となるだろう。本番組では、消費財製造産業における顧客価値創造手法を検証する。
これからの時代には、機能的価値を生む①サイエンスと②エンジニアリング、意味的価値を創造する③アートと④デザイン、これらが融合した総合的価値を持つ商品・サービスを提供する会社が成功する。スティーブ・ジョブズはアートにも興味が強いエンジニアであったため、この四つをかなりのレベルで理解し、ヒット商品を生み出すことができた。
エンジニアリングとデザインを統合させた「デザイン価値」は、顧客との接点で生まれるため、視覚に訴える意匠、使用経験(ユーザーエクスペリエン)、商品コンセプトが重要なポイントになる。これらをうまく開発に生かしているのが、家電製造販売会社のダイソンだ。同社は、プロトタイプを製作して使用感を検証するなど、デザイナーが行う手法を技術者・開発担当者が取り入れて商品をつくるデザインシンキングで成功した。ダイソン社の主要商品開発担当者は、ほとんどがエンジニアリングとデザインの両方に精通している。同社のコードレス製品開発部責任者のケビン・グラント氏は、グラスゴー大学で機械工学を、グラスゴー芸術学校でプロダクトデザインを学んできた。同氏は、デザインエンジニアの最大の価値は、使いやすくて見た目も良い商品に仕上げる能力だと自己分析する。
マツダは、日本の自動車産業において、意味的価値の創造に成功している好事例だと言える。同社は、アート思考で車を開発し、2012年から2016年に発表されたアクセラ、デミオ、CX-3など6車種が、カーオブザイヤーほか各賞を得た。理想の燃焼を追及し世界一の高圧縮比14.0を達成した「スカイアクティブ エンジン」で機能的価値を提供し、顧客に迎合しない歴史に残るデザインを追及し意味的価値を高めている。アート思考では、顧客迎合ではなく、自社独自の価値や思いの表現・提案を行う。匠、クラフトマンシップによって商品に魂を注入し、決して妥協しないのも特長だ。日本の企業は、マツダを初めとする自動車産業の価値づくり経営に学び、生き残りを図っていただきたい。
 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 顧客価値創造:消費財
00: 00: 44 「製造業における価値づくり経営」全体構成
00: 01: 49 「製造業における価値づくり経営」第3回 顧客価値創造:消費財
00: 02: 22 顧客価値の本質的な変化
00: 04: 13 顧客ニーズの頭打ち
00: 08: 23 価値づくりには意味的価値が必要
00: 10: 03 商品の価値=「機能的価値+意味的価値」=統合的価値
00: 14: 47 任天堂WiiとソニーPS3(共に2006年発売)
00: 17: 07 iPhoneの統合的価値
00: 18: 49 意味的価値の重要性アップ
00: 21: 19 統合的価値=機能的価値+意味的価値
00: 22: 29 商品の価値(機能的価値+意味的価値)は不可分
00: 23: 31 意味的価値が高い商品
00: 24: 59 消費財における意味的価値:自己表現とこだわり
00: 28: 48 炊飯器と液晶テレビ(Amazon.com 2017/1)
00: 29: 52 SEDAモデル(Science, Engineering, Design, Art)
00: 34: 59 デザイン価値=顧客との接点で生まれる価値
00: 37: 49 デザイン価値(統合的価値)創出の事例:ダイソン
00: 38: 30 ダイソンの商品開発マネージャ(1)
00: 40: 20 ダイソンの商品開発マネージャ(2)
00: 41: 30 デザイン・エンジニアの利点
00: 44: 32 デザイン価値に必要な統合的取組み
00: 48: 35 マツダ新世代商品群(2012年-2016年)
00: 48: 53 カーオブザイヤー他各賞を席巻
00: 49: 27 マツダの業績
00: 49: 52 マツダとSEDAモデル
00: 51: 44 世界を驚かせた「スカイアクティブ エンジン」
00: 52: 05 マツダの「アート思考」
00: 53: 43 アート思考(サイエンスも一部共通)
00: 54: 28 顧客の期待を越える
00: 55: 53 顧客と企業との接点全てがUser Experience(UX)
00: 57: 25 意味的価値のマネジメントの課題
00: 58: 22 第3回 顧客価値創造:消費財 まとめ
講師紹介: 延岡 健太郎(のべおか けんたろう)
一橋大学イノベーション研究センター 教授
大阪大学工学部精密工学科卒業後、マツダ株式会社に入社。マサチューセッツ工科大学より経営学修士取得後、同大学よりPh.D(経営学博士)を取得。
現在は神戸大学経済経営研究所教授、経済産業研究所ファカルティフェロー。

『延岡 健太郎』をamazon.co.jpで検索
  アシスタント:小泉 陽以

Copyright(c)