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マイナス金利付き異次元緩和策と日本経済 > マイナス金利付き異次元緩和策と日本経済 03

マイナス金利と財政政策
ゲスト:小黒一正氏(法政大学 経済学部 教授)


概要:
2016年9月、日銀は金融政策決定会合で、量的・質的金融緩和を維持しながらも金利誘導目標を加え、物価上昇目標2%の優先順位を下げる決定をした。ゲストの法政大学教授小黒氏は日銀決定を評価する一方で、金融政策の限界も指摘する。氏は先進国中でも成長率が悪くない一人当たりのGDPに着目して構造改革を進めていくことも必要と説く。少子高齢化社会でビジネスチャンスをつくり、長期間伸び率が止まった賃金上昇が実現できれば財政再建も緒に就く機運も高まり、若い人の将来不安を和らげることにもつながる。
法政大学経済学部教授の小黒一正氏は、1997年に京都大学理学部物理学科卒業後、大蔵省(現財務省)に入省、大臣官房文書課法令審査官補、関税局監視課総括補佐等を歴任。2005年に財務省財務総合政策研究所の主任研究官に就任後、2008年に世界平和研究所研究員、主任研究員を歴任。2010年8月に一橋大学経済研究所准教授、2013年4月に法政大学経済学部准教授、2015年4月より現職の同教授に就任している。
2016年の日銀金融政策決定会合では二つの重要政策が決定された。一つは、長短金利操作付き量的・質的金融緩和策である。大胆な国債買い入れによって市場にマネーを供給する政策は基本的には維持するものの、10年もの国債金利をゼロ%近傍に維持することを主眼にする金利誘導目標も加え、マイナス金利政策の導入から招いた金融機関の企業業績悪化に歯止めをかけることも狙う。もう一つは、オーバーシュート型コミットメントとされる政策で、これまでのインフレ率2%の目標自体は据え置くも期限は特には定めず、2%を超えて安定的になるまで緩和政策を維持する考えも加えた。小黒教授は、年間約80兆円に上る日銀による国債購入は限界に近づいている点を指摘、今回の日銀決定には一定の評価だ。問題は、金利が低いままなので、政治的に財政再建機運が緩んでしまうことと、マイナス金利下での国債購入による損失増大である。将来的に緩和政策を解除していく出口政策では、財政状況が改善しなければインフレ率が大きくなるリスクも増える。
小黒氏は、人口減少社会でGDPが伸び悩む中、先進国と比較して好調な一人当たりGDPの水準維持を成長率の要と捉える構造改革政策の重要性も強調する。物価上昇の実現に賃金上昇は欠かせない。例えば、これから必要人員が増える介護職員の低給与を改善すれば人手不足解消にもつながり、消費も増える。若い人が漠然と抱く将来不安を取り除き、活発にビジネスアイデアが出るような環境が実現できれば経済全体が活性化し財政再建も可能だ。
 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 マイナス金利と財政政策
00: 01: 02 ゲストプロフィール
00: 01: 40 マイナス金利付き異次元緩和策と日本経済
00: 02: 21 「総括的な検証」の背景①:2013年4月に「2年でマネタリーベースを2倍、…
00: 03: 33 日銀政策委員会:コアCPI予想/物価の見通し:DI(「上昇する」-「低下する」)消費動向調査(内閣府)
00: 04: 14 「総括的な検証」の背景②:追加緩和策に限界
00: 06: 09 新しい政策①:長短金利操作付き量的質的緩和策
00: 07: 57 新しい政策②: オーバーシュート型コミットメント
00: 11: 55 金利引き下げの最大の効果⇒「将来の需要の前借り」
00: 12: 54 金融政策では対処できない 生産年齢人口の減少と潜在成長率の低下
00: 16: 17 消費者物価指数前年比の日米比較
00: 18: 21 理髪店・美容院料金の推移
00: 19: 20 平均年間賃金の推移/CPIの推移
00: 20: 13 【再掲】消費者物価指数前年比の日米比較
00: 23: 02 政府債務残高(グロス)対GDP比
00: 28: 29 日銀:主な運用資産の利回り
00: 30: 21 FRBが1951年に長期金利誘導策(国債価格維持政策)から脱却できたのは、…
00: 41: 03 インフレ目標に関する政府と日銀の共同声明
00: 48: 41 世界銀行「ビジネスのしやすさランキング」2016年
00: 56: 58 長い目で見たとき、日本経済の成長力について、どう思いますか
講師紹介: 加藤 出()


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  アシスタント:田中 有明

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