ITのソフトウエア開発手法は、従来、ウオーターフォール型~基本計画・外部設計・内部設計・プログラム設計・プログラミング・テストという工程に分け、前の工程に戻らない前提で開発を行う~が主流となっていた。開発期間を短縮するため、近年アジャイル型~小単位で実装とテストを繰り返しながら徐々に開発を進める~が注目を集めている。この考え方が組織論に応用できるのではないか。またピラミッド型組織をやめ、フラットな管理体制を敷くホラクラシー組織が提唱されてきた。
自立・自律型人材へのニーズが高まる中、言われたことはできるが自分で考えようとしない人や、コミュニケーション能力が不足している人が多いのが問題だ。企業が自宅勤務やフリーランスを活用するには、仕事の切り出し能力が問われている。仕事と進捗状況を視覚化して、リアルタイムに把握することが重要となる。忙しい人に仕事が集中するのは、海外では管理職のマネジメント能力不足と判断される。
企業の利益は、それぞれの国、地域にいるローカル人材が生む。地域を統括するリージョナル人材、常に頭の中に地球儀があり、世界を見渡すグローブ人材など、企業により人材の捉え方は異なるが、明確な専門性があれば英語が話せなくても問題ない。日本で雇用した外国人社員は、任せられることで力を発揮する。グローバル人材の活用こそ、真のタレントマネジメントである。従業員が持つ能力や技術、経験値などの情報を一元管理することで組織横断的に戦略的な人事配置や人材開発を行うことが重要だ。
日本では、『正解が必ずあり、しかもそれは一つである』という考え方の正解主義教育に偏りがちだが、正解は必ずしも一つではなく、修正する能力こそが大切だ。日本人は現在、子どものころから何でも与えられ、自分で考えない、選択しなくていい習慣を身に付けている人が多い。資格を持っていても実務で使えない資格試験など意味がない。教育を根本的に変える時期がきており、人づくり革命政策は本質的な問題を理解している人が携るべきものである。