働き方改革がキーワードとなっている昨今であるが、日本での労働意識は世界の中では特殊だと言われている。グローバルに展開している日本企業にとって、日本流の慣れた働き方では現地で通用しないことも多い。日本では通用しても、海外では通用しないリーダーとは、どのような人材か。グローバルリーダーになるためには、どのような考えや資質が必要か。本番組では、海外で働いたことのあるリーダーたちとの会話などから、グローバル環境でのリーダー像を解説する。
社会心理学者の山岸俊男氏によると、ある集団の中にいて安心だというのが日本で、外にどんどん出て行き、出会った人と信頼関係をつくっていくのが米国だという。安心社会では場の空気を読む習性があるため、軸がぶれやすくなる。自分の軸を明確にできるリーダーになることが必要だ。多様性は法規制やトップダウンだけでは推進が難しい。創造性を産み出すためには多様性が必須であることを、管理職やリーダーが腹落ちしていなければならない。中国では組織のビジョンやミッションの意味を求められる。自分が所属する組織のよさを心から理解してアピールできることが大切だ。日本では優秀な人に仕事が集中する傾向がある。部下に均等に仕事を与えるのはマネジャーの役割だが、それが果たされていないのは、マネジメント能力として重要視されていなかったからである。プロ野球では現役のときに活躍した選手がコーチや監督になるケースが多いが、サッカーやラグビー等では現役時代の実績は関係なく、コーチングをしっかり学び、実践できる人が指導者として求められる。企業でも同じことが言える。上司にとって都合のよい人材を採用すると、仕事の標準化が遅れ、長時間労働やIT投資効率、外部能力活用などでのデメリットもある。一生が一度のマラソンと例えると、最初から全力で走ると息切れしてしまうのが日本で、毎日が100メートル競走で勝ち残らなければ次の出番がないのがインドだ。タテの流動性は日本では組織の中に限られていたが、世界では社会における流動性として転職も珍しくない。仕事に対する価値観の違いを理解することが重要だ。経験の積み重ねと昇進という責任の拡大によりキャリア形成されると思い込みやすい。外部での先端ネットワークの維持活用といった専門性の蓄積、体系的論理的な学び直し、自論を展開できる訓練、それぞれの国の働き方にある歴史的背景への理解も欠かせない資質だ。自分のリーダーシップ行動、マネジメント行動をメタ認知で客観視することが基本にある。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 グローバル環境での働き方 こういうリーダーでは通用しない 00: 00: 51 グローバル環境での働き方 こういうリーダーでは通用しない 00: 03: 09 グローバル環境での働き方 00: 03: 31 1.軸がぶれるリーダー(1) 00: 03: 32 1.軸がぶれるリーダー(2) 00: 14: 04 2.多様性の意味を腹落ちしていないリーダー(1) 00: 14: 08 2.多様性の意味を腹落ちしていないリーダー(2) 00: 18: 02 3.意味を伝えられないリーダー(1) 00: 18: 05 3.意味を伝えられないリーダー(2) 00: 23: 49 4.マネジメント下手なリーダー(1) 00: 23: 52 4.マネジメント下手なリーダー(2) 00: 33: 57 5.競争社会を理解できないリーダー(1) 00: 34: 04 5.競争社会を理解できないリーダー(2) 00: 40: 42 6.学びなおさないリーダー(1) 00: 40: 44 6.学びなおさないリーダー(2) 00: 44: 48 7.正解を求めるリーダー(1) 00: 44: 51 7.正解を求めるリーダー(2) 00: 50: 28 8.歴史的背景を理解しないリーダー(1) 00: 50: 31 8.歴史的背景を理解しないリーダー(2) 00: 59: 19 今日のまとめ