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【HD】組織人事ライブ > 組織人事ライブ 620

ひとり親家庭の貧困と日本型片働きシステム
ゲスト:赤石千衣子氏(NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ 理事長)


概要:
「一億総活躍社会」を目指し、高度成長期を支えてきた日本の雇用システムは、いま大きなターニングポイントに来ている。改革を実現する上で、働き方改革や子育て支援など、さまざまな問題がある。本番組では、一人親家庭の現状から、背景にある雇用システムの矛盾につながる話を具体的に掘り下げていく。ゲストは、自身も非婚のシングルマザーである、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長の赤石千衣子氏。厳しい状況に置かれているシングルマザーに焦点を当て、企業に雇用変革への理解を求める。
NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの会員は約600名。シングルマザーが子どもと一緒に生き生きと楽しく生きられるように、電話相談やグループ相談会、食料支援や学習支援、季節ごとに行事を開催するなど活動している。

シングルマザーと一口に言っても、年収が100万円台までの貧困層から400万円を超える人もいるが、平均年収は180万円程度で非正規が半数以上だ。何とか食べていくことはできるが、ぎりぎりのところで踏ん張っている人が多い。ここ25年間で、離婚による母子家庭は約2割増で80%を占め、未婚の母は約8%ながら倍増している。養育費の取り決め率は4割弱で、実際に受け取っている人は2割にも満たない。一人親世帯における子どもの大学進学率は23・9%と低い。相対的貧困率(一人当たりの可処分所得が全人口の中央値の半分未満の割合)は54・6%で、OECD(経済協力開発機構)の調査で世界最悪となっている。これは社会保障制度の差もあるが、製造拠点が海外移転し、もともと非正規率が高いサービス産業が増えていることや、中途で正社員になりにくい日本の産業構造にも一因がある。

フルタイム労働者に対するパートタイム労働者の賃金は、ヨーロッパ諸国では7、8割程度であるが、日本では6割弱しかない。日本はジェンダーギャップ指数が101位で、男女格差が著しいという現実もある。夫が正社員で稼ぎ主となり、妻は専業主婦、またはパート労働で家事・育児・介護を担うというモデルが主流だったことにも要因がある。

シングルマザーだけでなく、若者や中高年者でも非正規労働者が増加している現在、同一価値労働同一賃金の施策が求められている。転勤の有無や配置転換の範囲など、人材活用の仕組みや運用の判断として、どこまでを同一と見なすのかを丁寧に検討する必要がある。経済的に余裕が生まれると少子化や子どもの貧困問題も解決の糸口となる。企業が雇用の仕組みを変えることを積極的にしなければ、国の施策を待っているだけでは、なかなか改善しないと言えよう。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 ひとり親家庭の貧困と日本型片働きシステム
00: 01: 09 赤石千衣子氏 プロファイル
00: 03: 28 ひとり親家庭の貧困と日本型片働きシステム
00: 03: 46 しんぐるまざあず・ふぉーらむの活動
00: 04: 52 3人のシングルマザーと子どもたち
00: 04: 54 ダブルワークのAさん
00: 06: 45 中卒でDV夫と離婚したBさん
00: 07: 44 17歳で妊娠し8カ月のCさん
00: 09: 31 シングルマザー全員が貧困ではない
00: 10: 38 ひとり親家庭の現状(ひとり親になった理由)
00: 12: 04 ひとり親家庭の現状(就業状況)
00: 13: 01 ひとり親家庭の現状(その他①)
00: 16: 05 ひとり親家庭の現状(その他②)
00: 17: 13 日本のひとり親の貧困率はOECDで最悪
00: 19: 34 約8割が働いているが非正規が多い
00: 22: 53 パートの平均就労年収は125万円
00: 24: 39 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の推移
00: 28: 26 諸外国のフルタイム労働者とパートタイム労働者の賃金水準
00: 32: 35 女性全体の賃金がそもそも低い
00: 34: 55 日本は男女の格差激しい
00: 37: 18 男性正社員稼ぎ主システム
00: 42: 18 同一価値労働同一賃金原則とは
00: 47: 50 同一労働同一賃金の議論
00: 54: 48 資料
00: 58: 54 今日のまとめ
講師紹介: 高橋 俊介(たかはし しゅんすけ)
慶應義塾大学SFC研究所上席所員
組織・人事に関する日本の権威の一人。プリンストン大学大学院工学部修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ザ・ワイアット・カンパニーに勤務後、独立。
人事を軸としたマネジメント改革の専門家として幅広い分野で活躍中。
主な著書に『自由と自己責任のマネジメント』、『自立・変革・創造のマネジメント』、『キャリアショック』、『組織改革』、『人材マネジメント論』など。

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  アシスタント:岩崎 里衣

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