若手社員の活躍と成長は、企業の競争力を左右する重要なポイントだが、学生に接する機会がないと今の若者の現状が分からず、適切な採用や育成が難しくなる。今回は現代の学生について深い洞察を備える株式会社ジョブウェブの佐藤孝治氏をゲストに迎え、若者たちがどのように変化しているかを解説。同社のさまざまな取り組みや学生の活躍を紹介しながら、若手活用のヒントを与える。現状を知れば、ゆとり世代に対するネガティブな思い込みも払拭されるだろう。
ゆとり世代とは2002年から2011年に文部科学省の学習指導要領による教育を受けた世代で、特徴として、勉強時間が他世代よりも少ないため学習能力が低い、頼まれた以上のことをしない、自分で考えずマニュアルに頼る、自主性・社会性がない、注意するとすぐに落ち込む等がよく挙げられる。だが、ゆとり世代の全員がこの特徴を持つわけではなく、どの世代にもこのような人材は存在するので、この特徴はほとんど思い込みだといえよう。 学生と企業の就職・採用支援を行う株式会社ジョブウェブは、就職活動そのものよりも経験と学びによる人間力の向上を重視している。同社が運営する「ITスキルアップキャンプ」ではITサービスの企画・開発・運営を教えており、卒業生は独自のサービスを立ち上げてプロ同様の活躍をするなど、成果を上げているという。現代の学生は幼いころからITに親しんでいるのでITスキルやネットリテラシーが高く、自分で情報発信や開発をすることも常識になっており、優秀な学生は就職せずに起業することも多い。 今の若者は海外への関心も高く、語学留学よりも仕事のインターンを目的とした留学が増えているため、同社は2013年に世界24カ国のインターンシップを掲載する「AJITORA」を開設し、留学を支援。その後、文部科学省が2014年に若者の留学を促進する「トビタテ! 留学JAPAN」を始めるなど、若者のグローバル志向に伴い、支援も活発化している。 スマートフォンやSNS、クラウドの普及、天災の経験といった環境変化によって、情報伝達スピードが加速し、切磋琢磨や協力の姿勢が備わり、自身で問題を解決する力が身に付くなど、確実に若者は変化している。今後は学校教育も、教科書準拠で先生が一方的に教えるのではなく、子ども同士で学び合うアクティブ・ラーニングへと変わるだろう。 現代の若者を育成するためには、ゆとり世代のマイナスイメージを捨て、若い世代に期待してチャレンジする機会を与え、管理職自ら挑戦し続け、共 に成長することが大切だ。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 今の学生はどのように変化しているか 00: 00: 58 若手社員を育てる人材マネジメント#3「今の学生はどのように変化しているか」 00: 02: 08 株式会社ジョブウェブ 佐藤孝治会長 00: 04: 13 株式会社ジョブウェブ 00: 04: 50 資料(1) 00: 05: 40 資料(2) 00: 07: 39 ゆとり教育世代とは 00: 08: 31 ゆとり教育世代の特徴 00: 09: 39 今の学生はゆとり教育世代なのか? 00: 14: 21 今の学生の強み 00: 18: 10 今の学生のITスキル 00: 19: 33 ITスキルアップキャンプの実積 00: 21: 55 ITスキルアップキャンプの卒業生 00: 25: 24 慶應義塾大学 理工学部 4年生 播口友紀 00: 26: 05 慶應義塾大学 数理科学科 3年生 田中和希 00: 28: 12 【ケニア】水が無い地域で、家庭に水道を引く事業 00: 29: 12 今の学生のグローバル化 00: 30: 58 トビタテ!留学JAPAN 00: 33: 46 金沢工業大学の学生の事例 00: 41: 44 学生の変化の背景 00: 45: 01 学校教育の変化 00: 48: 19 親の育て方の変化 00: 52: 09 今の学生を育成する上で気をつけるべきポイント 00: 55: 48 10年後を見据え、どんな社会人に育成するべきか 00: 57: 32 企業の管理職や経営者が変化させるべきことは何か