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【HD】内田和成のビジネスマインド > 内田和成のビジネスマインド 44

内田流ものの見方(3)


概要:
行列をするとき、それぞれ個別窓口の列ではなく、少し手前から1列で待って空いた窓口へ順番に分岐していくフォーク並びが現在は主流となっている。最初は、外国での先行習慣をある銀行がATMで取り入れたらしいが、効率よくフェアにさばけるため、コンビニや公衆トイレなどさまざまな場所で定着している。他の成功事例を課題解決に導入する手法としてアナロジーがある。
今回はこのアナロジーを取り上げ、経営において他業種や違う世界からヒントを得ることによる柔軟な発想法を事例とともに紹介していく。
類推と訳されるアナロジーとは、ビジネスでは問題解決において既知の類似した状況を利用することだが、ものまねと言い換えてもいいだろう。ただ単にそっくり他社のまねをしただけでは共存が図れないが、いままでの延長線上で物事を考えるのではなく、異質な分野から知恵を取り込むことで、よりフレキシブルな思考でビジネスを進展できる。
鳥の翼を模して飛行機がつくられたように、自然界の生物が持つ構造や機能をまねることで技術開発することを生物模倣(バイオミミクリー)と呼ぶ。家電メーカーのシャープは、エアコン室外機の節電技術をアホウドリに学んでいる。エネルギー効率化の肝になる室外機の羽の構造を、効率よく飛翔するといわれるアホウドリの羽にまねたことで、20%もの省エネに改善している。同社はさらに、イルカの尾ひれの動きを縦型洗濯機に取り入れ、チョウの羽の動きを扇風機に応用するなど、目のつけどころの違いを武器に事業展開している。
既存のビジネスモデルや他業種の手法もアナロジーを応用できる。事業所へのおやつ補充ビジネスで好調なオフィスグリコは、言うなれば江戸時代からある富山の薬売りのお菓子版だろう。自転車販売メーカーのあさひは、自社で一貫して製造と販売を行うユニクロにまね、7割方を自社商品にし、中国でつくって日本で売る業態で業績を上げている。
組織のリーダーシップもスポーツから取り込める。野球では監督がリーダーだ。サッカーは、ピッチの中で個々の状況判断が要求されるため、各自がリーダーシップを発揮することになる。変化の激しい多様化した現代では、サッカー型リーダーが求められるだろう。
ビジネスにおけるアナロジーは、既存の方法に新しいヒントを持ち込むことだ。異業種のみならず自然界やスポーツなど、まったく違う領域にも目を向けることで、ものの見方を変えたり発想の幅を広げたりすることで、有効な経営戦略が創造できる。
 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
0.0: 0.0: 0 内田流ものの見方(3)
0.0: 0.0: 41 内田和成のビジネスマインド 内田流ものの見方(3)
0.0: 1.0: 5 今回のトピックス
0.0: 1.0: 7 本日の内容
0.0: 1.0: 28 アナロジーとは何か?
0.0: 6.0: 48 事業ドメイン
0.0: 14.0: 16 生物模倣(バイオミミクリー)
0.0: 20.0: 21 シャープ家電製品の例
0.0: 29.0: 3 他業界から学ぶ
0.0: 39.0: 49 ビジネスモデル
0.0: 48.0: 31 リーダーシップ
0.0: 59.0: 12 アナロジーで見る経営 まとめ
講師紹介: 内田 和成(うちだ かずなり)
早稲田大学ビジネススクール 教授
東京大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空株式会社を経て株式会社ボストン コンサルティング グループ シニア・ヴァイス・プレジデント、現在に至る。
ハイテク企業、情報通信サービス企業を中心に、マーケティング戦略、新規事業戦略、中長期戦略、グローバル戦略策定等のコンサルティングを数多く経験。

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  アシスタント:坂本 安代

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