1948年に設立された日清食品は、インスタントラーメン事業を中心に、世界19か国、51工場を展開するグローバル企業である。同社はまた即席麺やカップ麺だけではなく、冷凍食品、チルド食品、シリアル、乳製品なども手掛ける総合食品企業でもある。50周年を迎えた2008年に持ち株会社へと移行し、「日清食品ホールディングス」に商号変更した同社のコーポレートブランド戦略とはどのようなものか。広報部の松尾知直課長に聞く。
2008年、持ち株会社に移行した当初の日清食品グループのウェブサイトは、事業会社ごとにバラバラに作っている状態だった。サイトの数だけドメインがあり、情報を探しにくい。ターゲット顧客も曖昧で、総花的な内容が多かった。そのため、全体の約8割のアクセスが日清食品に集中しており、グループのシナジーが発揮できていなかった。 そこで、既存サイトを統合し、ドメインを「nissin.com」へ集約した。サイト数を大幅に減らしてコンパクトにし、ブランド別のコンテンツ構成にすることでグループのシナジーを発揮するようにした。 ターゲット顧客については、9人のペルソナを設定し、具体的なプロフィールを定性・定量的に洗い出して、ペルソナがウェブを通して何を実現したいかを明確にした。その上で、自社サイトで伝えること、広告で伝えること、ソーシャルメディアで伝えることを決めて、メディア間の連携と棲み分けを行った。 日清食品グループが大切にしていることは、「Creative、Unique、Happy、Global」の4つの思考である。そこで新しいグループサイトのトップでは、この4つの思考をビジュアルで表現した。映像や写真に重点を置くことで、CMにも負けないメディア体験を実現しようとしたのである。 会社ごとにバラバラに作成されていたメニューは、整理して分かりやすい構成にした。重複していたコンテンツはスリム化し、製品写真もすべて作成しなおした。グループに関するニュースなどもまとめて掲載するようにした。 その結果、サイト全体のページビュー数は約10%増加、ページごとの直帰率が低減し、1セッションあたりのページビュー数が増加した。また日清食品以外の会社に関する情報はサイト内でのインプレッションが大幅に増加した。 この一連の取組みはターゲット顧客に対するインパクトだけではなく、社内に向けても日清グループの理念を伝えることになった。 今後はこの取組みを海外にも広げていきたいと松岡課長は考えている。
スライド 時間 タイトル 0.0: 0.0: 0 日清食品グループサイトにおけるコーポレートブランド戦略 0.0: 2.0: 14 プロフィール 0.0: 2.0: 48 会社概要(1) 0.0: 10.0: 22 国内事業の展開 0.0: 11.0: 26 グローバル戦略の推進 0.0: 13.0: 18 会社概要(2) 0.0: 14.0: 6 会社概要(3) 0.0: 15.0: 51 持株会社制移行後のコーポレートサイト 0.0: 16.0: 48 コーポレートサイトの問題点 0.0: 18.0: 25 会社別にウェブサイトが複数存在(1) 0.0: 19.0: 15 会社別にウェブサイトが複数存在(2) 0.0: 21.0: 34 ウェブガバナンスが徹底されていない(1) 0.0: 23.0: 38 ウェブガバナンスが徹底されていない(2) 0.0: 24.0: 36 サイトデザインが差別化できていない 0.0: 26.0: 47 グループのシナジーが発揮できていない 0.0: 27.0: 55 既存サイトを統合し、ドメインを 「nissin.com」 へ集約 0.0: 30.0: 25 9人のペルソナとゴール 0.0: 33.0: 30 オウンドメディア/ソーシャルメディアの連携と棲み分け 0.0: 36.0: 25 イメージの整理 0.0: 38.0: 31 リニューアル前のコーポレートサイト 0.0: 38.0: 59 【再掲】イメージの整理 0.0: 40.0: 46 サイトトップで 「NISSIN」 ブランドを訴求 0.0: 43.0: 13 製品ビジュアルのレベルアップ(1) 0.0: 44.0: 4 製品ビジュアルのレベルアップ(2) 0.0: 44.0: 50 グローバルメニューの整理 0.0: 46.0: 0 コンテンツの再構築 0.0: 47.0: 2 コンテンツの再編成(1) 0.0: 48.0: 33 コンテンツの再編成(2) 0.0: 50.0: 26 コンテンツの再編成(3) 0.0: 53.0: 47 リニューアル後の成果 0.0: 55.0: 8 EARTH FOOD CREATOR 0.0: 55.0: 59 【再掲】イメージの整理