日本の戦後レジームは、1950年代の大衆の時代から細分化を繰り返し、個の時代を経て、さらに新しいレジームに移ろうとしている。生活モデルが大転換する時代、生活者は個衆と族衆、ビフォーバブルとアフターバブルといった2つの塊に収束しており、それを「デュアル・マス」という。デュアル・マスの時代、広告主とエージェンシーの関係はどう変わっていくのか。株式会社博報堂執行役員でありエグゼクティブクリエイティブディレクターの北風勝氏に聞く。
「デュアル・マス」の時代、ユーザーの広告やブランドに対する態度は一律ではなく、エージェンシーとユーザーとの距離感は変化せざるを得ない。広告手段は多様化しており、その効果も狭い枠では測ることができない。広告メッセージも変容している。ブランドの価値は揺らいでおり、企業はマーケティングをシフトダウンして、提供価値を再確認する必要がある。さらには、エージェンシーだけが広告を作るのではなく、広告主、ユーザーを含めてクリエイティビティを発揮しなければならない。 確かに、いつの時代も、ユーザーとコミュニケーションをとっていい関係を築きたいというマーケティングのミッションは変化しない。しかし、今日、オリエンは生活者がする時代である。エージェンシーと広告主は同じ方を向いてマーケティングに取り組んでいかなければならない。 そのためには、データから多くのことを読み取りヒントとしていくべきである。ビッグデータをすべて使う必要はないが、データと生活感覚を照らし合わせて、検証していけばよい。たとえば、今、情報はニュースアプリで読む時代である。複数のニュースアプリが数百万ダウンロードされており新しい読者が誕生している。ニュースサイトの運営によって蓄積されたデータそれ自体がマス広告制作のヒントとなる。 広告主はエージェンシーに「ぐっとこないものはつくるな!」と言うべきであるし、逆にエージェンシーは広告主に「ぐっとこないものはつくるな!」と返すべきである。マーケティングに関わる者はこれからも広告から逃げてはいけないし、広告主は自分のストーリーを考えなければならない。 モノヅクリは、モノガタリである。企業がものを作るところからドラマは始まっている。これからのマーケティングは、アートとサイエンスの融合であり、広告主である企業とエージェンシーがチームで行うものである。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 ぐっとこないものをつくるな~変わるブランドとエージェンシーの関係~ 00: 02: 14 北風勝プロフィール 00: 04: 23 資料(1) 00: 04: 26 資料(2) 00: 04: 30 資料(3) 00: 04: 34 資料(4) 00: 04: 57 資料(5) 00: 06: 21 資料(6) 00: 07: 00 Dumb ways to die 00: 08: 34 資料(7) 00: 09: 44 資料(8) 00: 10: 55 デュアル・マス 00: 11: 13 資料(9) 00: 13: 25 資料(10) 00: 13: 54 資料(11) 00: 14: 07 資料(12) 00: 14: 23 資料(13) 00: 14: 40 資料(14) 00: 24: 55 資料(15) 00: 28: 59 【変】ユーザーとの距離感 00: 34: 01 資料(16) 00: 36: 48 資料(17) 00: 38: 17 【変】HOW 【不変】WHY 00: 38: 33 【不変】Mission of Marketing 00: 41: 02 【変】オリエンは生活者がする時代へ 00: 41: 32 HINT(1) 00: 43: 42 生活感覚 00: 44: 34 NEWSY 00: 44: 50 今、スマートフォンを中心に起きている「ニュースビッグバン」 00: 45: 11 データ・調査はコンテンツになりうる 00: 45: 59 ニュースサイト運営によって蓄積されたデータ 00: 47: 08 【不変】ぐっとこないものをつくるな! 00: 48: 44 HINT(2) 00: 50: 48 資料(18) 00: 55: 51 資料(19) 00: 56: 48 モノヅクリ+モノガタリ→モノヅクリ=モノガタリ