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考える力 > 考える力 02

脳の回路と考える能力の開拓可能性


概要:
シリーズ2回目は、人間の脳の構造・機能を明らかにし、大脳生理学的に「考える」行為を分析する。人間らしい思考活動の充実に脳内メカニズムの理解は欠かせない。ほかの動物と比べて著しく発達した大脳新皮質が、人間を人間たらしめており、中でも前頭葉には、複雑な神経細胞を経て、あらゆる情報が集中する。情報は前頭葉で整理され、一つの判断がアウトプットされるが、神経細胞情報の強弱から来る「ゆらぎ」を本来的に持っている。そのゆらぎが人間たるゆえんであり、脳内でさまざまな葛藤があることを理解したい。
人間の大脳を一つのハードウエアと捉えると、機能は無限といってもいい。140億個のニューロン(神経細胞)と、シナプス(神経線維の先端)の組み合わせは、生まれた瞬間から、死という脳活動停止まで発達を続ける。人間は「脳力」の20%しか働かせていないというのが定説だ。大脳辺縁系は古皮質と新皮質からなり、古皮質は生物としての本能的活動を担う。新皮質は、サルに少し見られるのみで、人間は著しく進化させた。脳は前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉からなり、側頭葉は記憶や聴覚、頭頂葉は認識や思考などを役割分担する。
高木貞敬『脳を育てる』によれば、前頭葉が人間の意思決定や判断を担うソフトウエアの役割を果たしている。前頭葉にある運動前野は全身の筋肉を制御し、また前頭前野は人間らしい意欲・意思など能動的な情操活動の源泉になっている。さらに底部前頭前野・外側前頭前野・内側前頭前野に分かれる。底部前頭前野は、大脳辺縁系につながる本能的な感覚情報を持ち、動機づけという報酬系を担う。外側前頭前野は、記憶情報を分離・統合して冷静に分析する分野を担う。そして内側前頭前野は、底部・外側前野から来るあらゆる情報を調整・制御し、思いやり・共感という社会的意思も統括する。鉄道技術者フィアネス・ゲイジは、工事現場の事故で鉄棒が頬から頭を貫通し、前頭葉を損傷した。一命は取り留めたが、温厚な人柄は一変してしまう。前頭葉の働きを物語る一例だ。前頭葉を行き交う情報には、互いに矛盾する要素もあり、最終的にアウトプットとして出てくるものは、その時々で変化する情報の強さに左右される。本質的に葛藤、ゆらぎがある。量子力学的で言う電子のゆらぎのイメージにも通じる。
人間らしい豊かな感性を育み、創造的な思考活動を培っていくには、前頭葉が持つゆらぎを常に意識しながら、脳内情報の量と質を増やし、新しい神経回路つくることが大切だ。脳の動機づけを利用し、将来の夢を描いたり、いろいろな芸術を楽しんだりして、考える喜びを体得してほしい。
 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 脳の回路と考える能力の開拓可能性
00: 00: 44 考える力(1)
00: 00: 50 考える力(2)
00: 01: 19 前回(Ⅰ~Ⅲ )の要点 Ⅰ「 考える 」 とはどういうことか、私達はわかっていないのではないか
00: 02: 57 前回(Ⅰ~Ⅲ )の要点 Ⅱ「考える」という精神活動のジャンルは極めて広く、多様である
00: 04: 29 「考える」大脳の活動と「運動する」脳・身体活動の比較
00: 07: 11 前回(Ⅰ~Ⅲ )の要点 Ⅲ考えるための動機づけの構造を自覚しよう
00: 08: 50 人間の動機づけは、脳の活動と大きく関連している
00: 10: 39 (余談)新日鉄の合併報償金
00: 12: 53 【再掲】考える力(2)
00: 13: 36 Ⅳ 脳の回路の複雑さとキャパシティーの大きさを知り、考える能力の開拓可能性を検討する
00: 14: 09 (1) 脳の回路の複雑さとキャパシティーの大きさを理解する
00: 15: 47 資料(1)
00: 16: 37 ニューロン(神経細胞)の発達
00: 17: 32 2種類のシナプス
00: 17: 58 資料(2)
00: 19: 58 サルの大脳皮質における視覚関連領域の結合
00: 22: 07 大脳の役割分担(1)
00: 23: 10 大脳の役割分担(2)
00: 25: 00 大脳の役割分担(3)
00: 26: 08 大脳の役割分担(4)と協業
00: 27: 48 意思決定・判断の主体(ホムンクルス問題)
00: 31: 14 大脳のキャパシティー・余力
00: 33: 33 (2) 脳の構造と機能を知る
00: 36: 11 大脳の役割分担
00: 36: 24 【再掲】(2) 脳の構造と機能を知る
00: 37: 06 【再掲】大脳の役割分担
00: 37: 12 【再掲】(2) 脳の構造と機能を知る
00: 38: 38 いろいろの動物の大脳辺縁系の範囲
00: 39: 15 いろいろの動物の大脳皮質の進化発達の状況(C.J.Herrick)
00: 40: 29 フィネアス・ゲイジの頭蓋骨(心はどこにあるか)
00: 42: 27 ロボトミーの手術
00: 44: 47 前頭前野の働きを知る
00: 49: 21 意思決定のメカニズムを探る
00: 53: 13 (3) 豊かな思考回路を育てるための一般論を考える(試案)
00: 57: 03 資料(3)
講師紹介: 後 正武(うしろ まさたけ)
株式会社東京マネジメントコンサルタンツ 代表
東京大学法学部卒業。新日本製鉄、ハーバードビジネススクール(ディスティンクション)、マッキンゼー&カンパニー(プリンシパルパートナー)、ベイン&カンパニー(副社長)を経て、現職。
ほとんどの産業分野において全社戦略―実行プログラムにいたる一連の組織課題を手がける。

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  アシスタント:岩崎 里衣

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