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これからの教養を考える > これからの教養を考える 06

推論の力を高める


概要:
企業の人材マネジメントや大学教育において、改めて注目され始めた教養。なぜいま教養が見直されているのか。ビジネスの現場で使える教養とはどのようなものか。本シリーズでは企業人が身に付けるべき教養を探求する。第6回は教養としての推論力について解説する。世の中はデータによって正確に判断できることばかりではなく、特に企業やビジネスにおいては科学的判断ができない場合も多い。そのため、論理的な思考と、直観によるひらめきの両方で判断する推論力を備えることが企業人にとって重要である。
推論とは既知の情報から未知を特定することであり、その手法には演繹法と帰納法がある。演繹法は「AはBである。BはCである。従ってAはCである」とパラダイム(普遍的な定義や認識)から結論を導き、帰納法は「カラスAは黒い。カラスBは黒い。カラスCは黒い。従って全てのカラスは黒いだろう」と事実の集積から結論を導く。推論は未来に起こる事象の予測や、すでに証人がいなくなった過去の出来事、極めて複雑な状況における意思決定などにおいて非常に有効である。
推論力を高めるには、歴史のように面白味のあるものを使うといいだろう。例えば、明智光秀が織田信長を討ったのはなぜか。本人不在のため科学的検証は不可能であり、明智光秀の母が織田信長によって殺されたことや、徳川家康の接待における意見の相違があったことなど、いくつかの既知情報から推論するほかない。多くの人が面白いと思える推論ができれば、ビジネスやマネジメントにおいても役に立つはずだ。
何事もデータから科学的に判断した方が正確ではあるが、事実情報の欠落や不足、コストや労力がかかりすぎる複雑な判断の場合は、推論を使った方がいい。例えば、学生が5、6万社の企業から就職先を選ぶ際、全ての経営指標を比較検討すれば最もマッチング度の高い1社を導き出すことはできるが、時間や労力の面から考えると現実的ではない。直観や偶然を含む推論で前に進める方が幸せな意思決定になることも多いだろう。
推論を行う際には「いまは推論をしている」と明確に認知しておくことが重要である。加えて、例えば600人のうち「200人が助かる」「400人が死亡する」のようなフレーミングによる判断のゆがみも意識しなければならない。「この大学出身者はこういう気質だ」などと一人の事例を過度に一般化するような詭弁に陥ることなく、できるだけ多数の既知情報を集め、多くの人が納得できるような推論を心掛けることが大切である。
 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 推論の力を高める
00: 01: 06 教養の領域
00: 02: 14 科学的な論理(1)
00: 03: 17 科学的な論理(2)
00: 04: 28 全てにおいて科学的な判断が可能か?(1)
00: 05: 16 全てにおいて科学的な判断が可能か?(2)
00: 06: 09 全てにおいて科学的な判断が可能か?(3)
00: 07: 44 パラダイムは存在するのか(1)
00: 08: 20 パラダイムは存在するのか(2)
00: 11: 41 パラダイムは存在するのか(3)
00: 13: 29 推論とは
00: 15: 38 推論を行なうことが合っている事象(1)
00: 17: 01 推論を行なうことが合っている事象(2)
00: 17: 38 推論を行なうことが合っている事象(3)
00: 18: 14 推論を行なうことが合っている事象(4)
00: 19: 42 推論を行なうことが合っている事象(5)
00: 22: 24 歴史的な推論(1)
00: 24: 43 歴史的な推論(2)
00: 26: 02 歴史的な推論(3)
00: 26: 46 歴史的な推論(4)
00: 28: 04 歴史的な推論(5)
00: 31: 43 歴史的な推論(6)
00: 34: 30 複雑系における推論(1)
00: 36: 12 複雑系における推論(2)
00: 37: 03 複雑系における推論(3)
00: 38: 49 推論を行なう際の留意点(1)
00: 40: 30 【再掲】教養の領域
00: 42: 31 推論を行なう際の留意点(2)
00: 42: 44 推論を行なう際の留意点(3)
00: 43: 37 論理のゆがみ(1)
00: 44: 15 論理のゆがみ(2)
00: 45: 10 フレーミング効果(1)
00: 46: 01 フレーミング効果(2)
00: 47: 36 判断の手抜き(1)
00: 48: 47 判断の手抜き(2)
00: 50: 09 判断の手抜き(3)
00: 51: 37 詭弁の例(1)
00: 52: 50 詭弁の例(2)
00: 54: 57 詭弁の例(3)
00: 55: 44 詭弁の例(4)
00: 58: 49 まとめ(1)
00: 58: 56 まとめ(2)
00: 59: 18 まとめ(3)
講師紹介: 川上 真史(かわかみ しんじ)
ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 グローバル経営学科 専任教授 同 大学院 経営学研究科 教授 Bond大学大学院 非常勤准教授 株式会社タイムズコア代表 明治大学大学院兼任講師 株式会社ヒュ-マネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産業能率大学総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループ、タワーズワトソン ディレクター、株式会社ヒューマネージ 顧問など経て、現職。
数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。
近著に『コンピテンシー面接マニュアル』、『できる人、採れてますか?―いまの面接で、「できる人」は見抜けない』(共著・弘文堂)、『仕事中だけ「うつ」になる人たち―ストレス社会で生き残る働き方とは』(共著・日本経済新聞社)、『会社を変える社員はどこにいるか―ビジネスを生み出す人材を育てる方法』、『自分を変える鍵はどこにあるか』、『のめり込む力』(ダイヤモンド社)、『最強のキャリア戦略』(共著・ゴマブックス)など。

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  アシスタント:田幸 知有紗

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