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BPUプロフェッショナル系 Information Technology > ITライブ209:江崎 浩

ビッグデータ時代を支えるコグニティブ・コンピューティング
ゲスト:森本典繁氏(日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 所長)


概要:
コグニティブ・コンピューティングとは、人間の脳のように経験から学び、異なる事業間の関係性を見つけ、仮説を立て、記憶する機能を備えたコンピューターの概念である。ハイパービッグデータの時代を迎え、従来の延長線上にあるコンピューターの進化では対応できなくなってくる。コンピューターの第三世代といわれるコグニティブ・コンピューティングの内容と現状の取組みを日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所所長森本氏に聞く。
ビッグデータの時代といわれる現在、データの総量は加速度的に増え続けており、2020年には全世界で生産されるデジタル情報の総量は、500億本の映画に相当するだろうと考えられる。データの増加は量的側面だけではなく、質的にも、データの種類、スピード、内容の曖昧さが増え続けている。
そのため、コンピューターの技術は、第一世代である計算機の時代、第二世代であるプログラムで動く時代を経て、第三世代であるコグニティブ・システムの時代に移行することが必要となっている。
新世代のコンピューターのロールモデルは人間の脳である。人間の脳は、論理的思考を司る左脳と、直感的思考を司る右脳に分かれているとモデル化されているが、第二世代までのコンピューターはいわば左脳の機能だけを強化したものだった。たとえばIBMのワトソン・プロジェクトでは、2009年、コンピューターが人間のクイズ王に挑戦するという企画を行った。コンピューターが自然言語を理解し、大量の情報の中から適切な回答を探し出す作業を瞬時に行うことで、クイズ王に勝利したのだが、それは左脳的な機能を増大させた試みだった。この左脳的な機能は研究が続けられており、今後もさらに進化していくと考えられる。
これに対して、新世代のコグニティブ・コンピューティングでは、芸術や味覚など不確実で曖昧な情報を扱うものである。たとえば、料理の材料の一部を言うだけで、その家庭の好みや状況を勘案し、献立を提案するような働きである。
もし従来のプログラムで動くコンピューターでこうした複雑な機能を果たそうとすれば、膨大なハードとエネルギーが必要となるだろうが、コグニティブ・コンピューティングは、人間の脳と同じような仮説出しや推論を自動的に行うことで、ビッグデータを効率的に扱うものである。
コグニティブ・コンピューティングの研究はまだ端緒についたばかりであるが、今後、左脳的機能と右脳的機能が融合し、人間の脳のように効率的でかつその数百倍の能力を持つコンピューターが生み出されるだろうと考えられている。
講師紹介: 江崎 浩(えさき ひろし)


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  アシスタント:安田 真理

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