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楠木建のビジネスリーダー「好き嫌い」対談 > 楠木建のビジネスリーダー「好き嫌い」対談 05

ビジネスリーダー「好き嫌い」対談
ゲスト:星野佳路氏(株式会社星野リゾート 代表取締役社長)


概要:
ゲストに好き嫌いだけを聞いていきたい。好き嫌いこそが経営者としてのセンス、その会社を理解する切り口になるとのこだわりで続いているシリーズ。今回お迎えするのは、全国32カ所にリゾート施設を展開する株式会社星野リゾートの星野社長。修行僧のようにりんとして静かな佇まいの同氏。ゴルフはまどろっこしいから嫌いだが、ゲレンデのスキーはスピードに身の危険を感じるところが快感だと言う。一方で、山スキーには現地ガイドを雇う慎重ぶり。一言では語り尽くせない人間性も見えてくるから面白い。
軽井沢生まれの星野氏は、慶應大学卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院にて経営修士号を取得。その後シティバンクなどを経て、1991年株式会社星野温泉(現星野リゾート)代表取締役社長に就任。2013年現在社員1750名を擁する星野リゾートは、温泉旅館やリゾートの再生に取り組む、総合リゾート運営会社に成長している。
嫌いなのは、暑さ。待つこと。夜の会食。なんと自社の運営施設。ゼロからつくり上げたものではなく、すでにあるものを、限られたリソースと個性の差別化で刷新しているが、それぞれの案件にある反省が見えるので、滞在するとリラックスできないとのこと。
好きなのは、とんかつ。ストイックな状況に身を置くこと。中学から大学までアイスホッケーで全国優勝を重ねた同氏は、目標を設定してそこに全てを収斂させていく目的志向型だ。スキーは年間60日滑走を目標とし、日本の夏には雪を追い掛けてニュージーランドまで遠征し、現地で半袖に着替え、日本でのテレビ会議に何食わぬ顔で出席する。
経営姿勢もストイックだ。創造性を追うより、個々の施設が地域でのシェアを拡大し、従業員の生活安定が第一義だから、理論や方法論を研究し失敗の確率を減らす努力をする。心配性で常にワーストシナリオを想定するが、実践すると決まれば、そこは体育会系、目標に向かって突進。慎重な一方で、リスク管理が経営の面白さであることも知っている。
元老舗温泉旅館が多い各地の施設は、非日常・異文化体験として外国人にも人気がある。お客さまの要求に迅速対処することがよいサービスとされる欧米と違い、施設側のこだわりを期待させることが日本独自のサービス=おもてなしだ。このおもてなしを持って、星野リゾートは来年インドネシアのバリ島に進出する。量的成長は嫌いではないが、質的成長が伴ってこそスケールメリットが得られ、ファンを増やしていけると星野氏は結んだ。
講師紹介: 楠木 建(くすのき けん)
一橋ビジネススクール 教授
専攻はイノベーションのマネジメント。新しいものを生み出す組織や戦略について研究している。とくにコンセプトを創造する組織やリーダーシップに関心をもっている。一橋大学大学院商学研究科博士課程修了(1992)。一橋大学商学部専任講師(1992)、同大学同学部およびイノベーション研究センター助教授(1996)を経て、2000年から現職。
主な著書に『Managing Industrial Knowledge』(共著・Sage 2001)、『ビジネス・アーキテクチャ』(共著・有斐閣 2001)、『知識とイノベーション』(共著・東洋経済新報社 2001)など。論文多数。

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  アシスタント:小川 りかこ

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