ビジネス・ブレークスルーHOMEへ | 会社概要 | BBTサービス一覧 | サイトマップ | BBTサイトについて | お問い合わせ一覧 |

ログイン
楠木建のビジネスリーダー「好き嫌い」対談 > 楠木建のビジネスリーダー「好き嫌い」対談 04

ビジネスリーダー「好き嫌い」対談
ゲスト:藤田 晋氏(株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長)


概要:
シリーズ4回目は、26歳という史上最年少で東証マザーズ上場を果たした株式会社サイバーエージェント代表取締役社長藤田晋氏を同社に訪ねた。かつてミュージシャンを目指していた藤田氏は、競馬で大穴を的中させるような勝負師の顔を持つ半面、合間を縫って刊行した好著では共通して内省的世界を連綿とつづっている。相反するような二つの面を併せ持つ社長を創業に駆り立てたものは一体何であったのか。通奏低音のように意識のベースに存在し続けるものはヒップホップという音楽が持っている反骨の精神であった。
藤田社長は1973年福井県鯖江市生まれ。1997年青山学院大学経営学部を卒業後、人材派遣会社の株式会社インテリジェンスを経て翌1998年、同社の出資でサイバーエージェントを設立、2000年には東証マザーズ上場を果たした。社長を魅了してやまないヒップホップは常に新しい演奏を産み出し続け、周囲に感動を呼び起こす。硬骨の詩の中で出合った「いつか見ていろ」というフレーズは社長の心をとらえ長らく支え続ける。勝負師としての血を騒がせるのはマージャンであろう。「不平等からスタートしていかに運を引き寄せて早く上がるか」とビジネスに重ね合わせる。
多数が集うパーティーよりもカウンターバーでの1対1の対話が肌に合うと力を込めるのは寝業師の一面であろうか。型破りな演出が真骨頂のヒップホップとは真逆の経理業務など同じ事の繰り返しは性に合わないが、単純な反復に見えるブログへの書き込みは、いったん立ち止まって内面とじっくり向き合う。短文の更新に1時間かけることもあるという。小学校時代から日記に親しんでいることもあり、文章を書くことに抵抗感はない。
『渋谷ではたらく社長の告白』はベストセラーとなり、『起業家藤田晋』では集中力を研ぎ澄ませ「誰に向けて書いたか分からないぐらい書き終わったら頭が真っ白だった」と語る。社員との対話を深めるためには、夜の部も苦にしないが、一部の目立つ者の発言に偏らないように心を砕く思いやりもある。いま仮に無一文の境遇になっても創業すると即答する。粗削りの新卒者をゼロベースから育て上げていきたい。丸の内地区に代表されるような伝統企業の既得権益には魅力を感じない。自分の責任が明確になっている個人トーナメントで勝ち上がっていくことがしっくりくる。チームプレーは否定しないが責任も分担されることに違和感がある。
藤田社長はヒップホップの支援活動として、ある音楽番組の半年分全てを個人的にスポンサードしている。「いつか見ていろ」は「言われてなんぼ」の裏返し。社長の反骨哲学はライフワークへとつながった。
講師紹介: 楠木 建(くすのき けん)
一橋ビジネススクール 教授
専攻はイノベーションのマネジメント。新しいものを生み出す組織や戦略について研究している。とくにコンセプトを創造する組織やリーダーシップに関心をもっている。一橋大学大学院商学研究科博士課程修了(1992)。一橋大学商学部専任講師(1992)、同大学同学部およびイノベーション研究センター助教授(1996)を経て、2000年から現職。
主な著書に『Managing Industrial Knowledge』(共著・Sage 2001)、『ビジネス・アーキテクチャ』(共著・有斐閣 2001)、『知識とイノベーション』(共著・東洋経済新報社 2001)など。論文多数。

『楠木 建』をamazon.co.jpで検索
  アシスタント:小川 りかこ

Copyright(c)