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楠木建のビジネスリーダー「好き嫌い」対談 > 楠木建のビジネスリーダー「好き嫌い」対談 03

ビジネスリーダー「好き嫌い」対談
ゲスト:磯﨑憲一郎氏(小説家・芥川賞作家)


概要:
日本経済が低迷を続ける中、ビジネスリーダーには、論理的思考に基づいた合理的事業経営が求められるが、それだけで問題が解決できるとは思えない。「好きこそ物の上手なれ」と言われるように、人が行動する力の源は、「好き」の感情から生まれる。本番組では、リーダーの「好き嫌い」だけを聞き取り、そこから事業経営の壁を打ち破るヒントを得る。今回は、2009年『終の住処』で第141回芥川賞を受賞した磯﨑憲一郎氏をお迎えし、予定調和を否定するプロットなき小説作法を存分に語っていただく。
磯﨑憲一郎氏は、1965年千葉県我孫子市生まれ、早稲田大学商学部を卒業し、商社勤務の傍ら40歳から小説を書き始める。2007年に『肝心の子供』で第44回文藝賞を受賞、2008年に『眼と太陽』『世紀の発見』などを発表、2009年『終の住処』で第141回芥川賞を受賞する。受賞時は商社の人事総務部開発室次長を務めていた。2011年には『赤の他人の瓜二つ』で第21回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を、最新作『往古来今』では第41回泉鏡花文学賞を受賞、現在も商社に勤めながら執筆活動を続ける。

磯﨑氏は、中学時代からレッドツェッペリンなどのハードロックに目覚め、バンド活動に参加するなど音楽に没頭する。大学時代は、学生起業家ばやりの風潮に反骨心を覚え、ボート部で鍛える。北杜夫、遠藤周作などの小説は読んだが、文学青年ではなかったと振り返る。大学卒業後は、人を相手に事業を行うことに興味が湧き総合商社に入社、海外駐在も経験する。以前から付き合いのあった芥川賞受賞作家・保坂和志氏の勧めで著作を始め、42歳で保坂氏が選考委員を務める文芸賞を受賞し文壇デビューを果たす。

磯﨑氏の小説は、背景にロックミュージックが流れていると自己分析する。小説全体の構想はなく、最初の1行だけが存在する状況から執筆が始まる。常に次の1行を考えながら筆を進めるため、自分でも到達点は分からない。小説の終章はペンのみが知る。ポジティブなものを好み、安心感を求める予定調和的なものは嫌う。自分が理解できるものしか喜ばない世の風潮は単純過ぎる。理解できないものにぶつかって苦悩することがないと社会は次のフェーズには進めないと語る。

サラリーマンであれ、作家であれ、個人のコアな部分が問われる時代になった。これからのビジネスマンは、組織に合わせるばかりでなく、「好き」を追求して独自性を磨いていくことが大切だ。個人が成長できれば、組織が活性化し、日本経済は復活できるはずだ。

講師紹介: 楠木 建(くすのき けん)
一橋ビジネススクール 教授
専攻はイノベーションのマネジメント。新しいものを生み出す組織や戦略について研究している。とくにコンセプトを創造する組織やリーダーシップに関心をもっている。一橋大学大学院商学研究科博士課程修了(1992)。一橋大学商学部専任講師(1992)、同大学同学部およびイノベーション研究センター助教授(1996)を経て、2000年から現職。
主な著書に『Managing Industrial Knowledge』(共著・Sage 2001)、『ビジネス・アーキテクチャ』(共著・有斐閣 2001)、『知識とイノベーション』(共著・東洋経済新報社 2001)など。論文多数。

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  アシスタント:名和田 知加

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