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BPUプロフェッショナル系 大前研一アワー > 大前研一アワー331

【フィデリティ セールスサミット2013基調講演】
日本のこれから ~アベノミクス後の展望~


概要:
安倍内閣が実行するアベノミクスでは、金融緩和政策にマーケットが反応し経済状況は若干上向きになったが、成長戦略の先行きが不透明で、いまだに明確な効果は現れていない。日本が抱える本当の問題は、60年にわたって続く自民党長期独裁政権にある。未成熟な現有野党では政権交代が望めないため、地方政府が自らの地域を運営できるよう統治機構を抜本的に変更する必要がある。政治システムの変革には時間がかかるので、いますぐに、税制改革などの経済対策に着手すべきだ。日本経済復活のシナリオを大前氏が提示する。
金融緩和、財政出動、成長戦略を柱に打ち出したアベノミクスでは、具体的な施策が見えない。金融緩和で長期国債を大量に買い入れるため、アベノミクスの出口は非常に難しくなった。企業は、アベノミクス後に訪れる経済状況を予測した対処をしていく必要がある。
日本経済が抱える本当の問題は、60年にわたって続く自民党長期独裁政権に原因がある。自民党政権は官僚主導と中央集権を堅持するため、地方自治への権限委譲は掛け声倒れに終わっている。政治家は、交付税を地方にばらまいて票を得るため、財政出動を優先する政治に終始する。吉田茂、鳩山一郎など有能なトップ政治家が外交を主導したが、文書が不在で他政党への引き継ぎは困難だ。例えば尖閣諸島問題では、田中角栄と周恩来が協議し問題を棚上げにしたが、情報は民主党政権に引き継がれず、野田内閣で大混乱を引き起こした。現状では政権交代が望めないため、国民は自民党の体質変換に取り組むしかない。
日本には、21世紀に必要とされるグローバル人材がいない。少子高齢化で労働人口が減少している。国民は将来不安から貯蓄、民間の年金、保険へ重複投資を行うため、マーケットにお金が出てこないなどの問題があるが、アベノミクスではこれらの問題に対処できない。移民政策を採用し年間80万人の労働人口を流入させる。「地方公共団体」にすぎない自治体を再編し、地方政府の集合体として国家を運営する統治機構へ抜本改革を行うなど、思い切った政治システムの転換が日本には必要だ。
当面は、統治機構の変更を視野に入れながら税制改革を行う必要がある。所得税、相続税、法人税などを廃止し資産価値税に一本化する。減価償却期間を半減し、コンテンツ、不動産などへの投資を誘導するなど、成長期の税制から成熟期の税制に切り替えてお金が市場に出て来る仕掛けを作ることも重要だ。
21世紀型グローバル経済を志向して、各地方が独自戦略を展開することができれば、世界にあふれる資本が流れ込み、日本は将来の繁栄を手にすることができるだろう。
講師紹介: 大前 研一(おおまえ けんいち)
経営コンサルタント
マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了後、日立製作所、マッキンゼー・アンド・カンパニー ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を経て現職。
オーストラリアのボンド大学の評議員兼経営学部教授でもある。著書多数。

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