私はマイクロソフトに5年間在籍していましたから、コンピュータに関してはある程度の知識はありました。94年10月ごろだったと思いますが、インターネットでいろいろ遊んでみて、結構おもしろいなと感じました。はじめはブックスタッフという、オンラインブックショップにはいってみました。ところが、本を注文して届いたのが船便で6週間後でした。3回目の注文でやっと10日後、航空便で届きました。これでインターネットの便利さがわかり、何かビジネスをやろうと決めました。
では、何をやるか。ソフトウェアは開発コストも、マーケティング費用も高い。まずはショッピングで使えないか、と考えました。当時、個人輸入が大ブームだったので、それで作ったのがバーゲンアメリカです。1軒あたり3千ドルもらってショッピングモールに参加してもらう計画でした。しかし、実際にやってみると3千ドルをとるためには相当の営業をしないととれませんでした。また、日本の市場に対して積極的にやろうという意向がありませんでした。これは可能性がないな、と思いました。
起業するとき、アイデアがあってそのビジネスがそのまま成長するのならいいですが、実際は何回も失敗して試行錯誤してビジネスモデルをつくりあげる必要があります。常に新しい考え方をもっていないとスタートアップはできないと思います。
インターネットはお客様のほうから電子メールをどんどん送ってきます。いろんなアイデアや関係のないことまで送ってくるわけです。通販に関する情報をもっと出してくれ、というメールがあり、バーゲンアメリカマガジンを作ることを思い立ちました。マガジンがあれば、情報が集まるし、発信できるし、広告も取れるのではないかと考えました。私はいかにデータベースをインターネットに連結して購読者を集めるか、そのノウハウを知っていたのでマガジンの購読システムと発信システムを作ったのです。
顧客からの一番の要望はカタログを送ってほしいということでした。紙のカタログは制作費、マーケティング費、発送費がかかる。しかし実際には紙のカタログをみて注文している人が多いのです。アメリカでも12000社の10%が日本向けにカタログを送っています。そこでカタログリクエストシステムを作りました。当時無料でリストをカタログ会社にとどけるというビジネスは存在していませんでした。
なぜメールオーダーかというと、当時は超円高で自分も興味があったこと、パソコンに関係のない分野も興味を持って調べていたことです。ビジネスをやる上では、他の分野も調べていかないと、それまでまったく関係のない分野と思われて