三浦氏は、1995年関西学院大学経済学部卒業後、独立系ノンバンクへ入社、2000年からはサービサー(債権回収)会社にて金融機関法人営業を担当、ITX株式会社を経て、2007年4月に有限会社マーキュリーインベストメントワンを設立する。2010年11月からは、Eコマース総合コンサルティングを行う北京RK社へ出資、執行薫事(理事)を務める。
RK社は、2009年5月に3人の中国人で設立、2010年7月大連にシステム子会社を、2011年2月に上海支社を設立するなどで拡大し、現在約230名の社員を抱えるほどに成長した。同社は、自社開発の統合型基幹業務システム(EPR)上にEコマースに必要な機能を全て持ち、食品とファッションブランドのEコマース運営をサポートしている。中国ECプラットホーム上位2社の淘宝(タオバオ)と京東商城の公式パートナーに認定され、中国商務省が選ぶ2011年度の最も優れたネット企業TOP10にも選出された。
中国の消費者は、ネットで商品の情報を仕入れ、実店舗で購入するといった購買行動を示すため、Eコマース運営には、実店舗運営と同じ労力とコストを掛けなければ、市場を取り込むことができない。認知度のあるブランド品は、横流し品・偽物を扱う個人商店(C店舗)で販売されてしまうため、販売力のあるC店舗を味方として囲い込み、取り込めないところは根気強く徹底的に排除する必要がある。中国13億人の人口全てを市場として捉えるのではなく、例えば日本から帰国した中国人旅行者をターゲットに設定し九州の名産食品を販売するなど、焦点を絞った戦略が必須になる。日本の食品は安全性が高く、中国消費者には魅力的なコンテンツの一つだ。中国市場は日本と異なることを強く意識し、中国で成功しているユニクロやハニーズなどの対応を参考に、ECを重要な販売チャンネルと認識して、チャットによる問い合わせに2秒以内で即答するなど、実店舗同等の体制を整備すれば、日本ブランドも中国Eコマース市場で成功できるだろう。
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