社会変革型リーダーは「PSR」の気持ちが前提となるが、初めに社会に向けて自分への信用を蓄積しなければならない。人々が自分のことを知らなければ、何も伝わらない。ただ、信用を積むだけでは周りの環境を変えられない。蓄積した後「突然変異」の発言や行動ができるかが肝要となる。
現実的には、日常の業務は多忙を極め、「突然変異」はリスクも伴うことから、二の足を踏むのが実情だが、言い訳はせず、大きな絵のように目標を掲げて、大事なことだけに取り組めばいい。
まずは率先して声掛けをし、賛同者を集めてアクションを起こすこと。行動を支えるのは三つの意識だ。「死」を感じることで逆に生きる力が湧く。世間に流されない「自分」の考えを持つ。勇気ある高尚な生き方を「後世」へ残す。この意識を持つことが、社会変革への第一歩を踏み出すことにつながるのであろう。
具体的に、意識や正義感を持つために何を学ぶべきだろうか。英語やIT、MBA的知識等、見えやすいことに目が行きがちだが、これらは単なるツールであり、リーダーへの「必要条件」ではない。分かりやすいものに飛びつかない勇気も大切で、本当に学ぶべきことは「大局観を養う学問」である。世界の動きに対して自分はどう生きるべきかを問い、判断力から決断力を養っていく。これは目に見えない、身に付きにくい力だが、まさに目に見えないところこそ、変革型リーダーには重要となってくる。
「大局観」を養うには、先人たちの歴史と生き様を学ぶことが最善だ。例えば、坂本龍馬は大政奉還の道筋を付けたが、その前に命懸けの脱藩という行動を取った。こうした偉人たちのリスクある決断にはリーダーとしての要素を感じ取れるので、重視すべき学問になるだろう。講師の大局観は、「協創国家」「小強国家」「真豊国家」だという。政府をスリム化させ、適切な行政サービスと多様な選択肢を可能にする。強いリーダーシップで豊かな国家を実現させたい。
次回以降は第一線で活躍するゲストをお迎えし、現代版リーダーとしての現状を伺う。