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> イノベーションライブ72:楠木建

コーポレートガバナンスのイノベーション(2)
ゲスト:伊藤建彦氏(日本精工株式会社社外取締役)
問いかけ:あなたが経営者だとしたら執行役員制を導入しますか?


概要:
第二回目となりますが、テーマは社外取締役の話を含めたコーポレートガバナンスのイノ ベーションです。特に今回は、取締役と執行役員をわける執行役員制の役割について議論 を進めていきます。日本精工株式会社の社外取締役である伊藤建彦氏に具体的な事例を挙 げていただき、話を聞いていきます。

●取締役会改革のキーワード

長期的、継続的な企業価値の創造、執行役員の業績評価のチェック、経営の透明性、アカウンタビリティーの向上、報酬による動機づけ。

 

●日本精工株式会社の社外取締役になられたきっかけとは

今までの仕事に一段落ついたころに以前から知り合いだった日本精工の社長から少し手伝って欲しいと誘いを受けました。日本の不況が続き、日本精工も業績が悪化し、ついに赤字になったことを社長はテイクチャンスし、おもいきった改革を行いたいと話してくれました。

その時から約二年間、顧問として特別改革チームの一員として働きました。この二年間で築かれた信頼関係が貴重なものとなり、会社に執行役員制が導入されることになったときに社長から外部取締役として、さらなる誘いを受けました。この時、私が条件の一つとして出していたのが、報酬委員会をつくらせてほしいということでした。

 

●報酬委員会

会社の役員三人と委員長の私の計四人でこの報酬委員会を進めていくことになりました。社長には入らないでほしいという要望も受け入れられました。さらにアドバイザーとして報酬専門のコンサルタントをいれました。

この報酬委員会では、日本精工の役員の報酬体系の基本となるものを構築することができました。短期のインセンティブである業績賞与の原資決定に関しては、取締役、執行役員に分けました。取締役に関しては連結ROEを基準とし、執行役員に関しては売上高利益率を指標としました。また、長期的なインセンティブ、そして株価を重視した経営の実現のための手段として取締役、執行役員に対してストックオプションを導入しました。また、実地基準としてTSRといったはっきりしたものを採用しました。

こういった基準をつくることは、役員のモチベーションを高めるためには、必要不可欠であると考えています。

 

●役目

社外取締役の一つの大きな役割は、経営指標の選択であります。しかし、決まった正解などはないことを、忘れてはなりません。企業や環境に合わせて考える必要があるの

講師紹介: 楠木 建(くすのきけん)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授
専攻はイノベーションのマネジメント。新しいものを生み出す組織や戦略について研究している。とくにコンセプトを創造する組織やリーダーシップに関心をもっている。一橋大学大学院商学研究科博士課程修了(1992)。一橋大学商学部専任講師(1992)、同大学同学部およびイノベーション研究センター助教授(1996)を経て、2000年から現職。著書としてManaging Industrial Knowledge (2001、Sage・共著)、『ビジネス・アーキテクチャー』(2001、有斐閣・共著)、『イノベーションと知識』(2001、東洋経済新報社・共著)などがある。論文多数。

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  アシスタント:馬場由利子

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