ナチュラルアートは、平成15年に設立。資本金1千万円、スタッフ2名、関係する法人40社でスタートした。現在は資本金5億円、スタッフ約200名、関係する法人は1千社余で、売上は100億円を超える。
「農業再生に命をかける」という自社のビジネスモデルはいたってシンプルで、クオリティーにこだわり、収穫量増産を心掛けている。
日本の農業は、現在衰退の危機にさらされている。参入が取りざたされているTPP(環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定)よる関税撤廃の影響も大きいと予想。具現化すると、特に米農家は甚大なダメージを受け、業界全体の生産高も、8兆5千億円が4億円まで落ちると言われる。これは世界の潮流であり、フェアなビジネス上では避けて通れない。本格導入されたら、全農も新しい枠組みをつくらざるを得ない。
どの業界もリスクはつきものだが、ナチュラルアートは経営を安定させるために「ポートフォリオ戦略」を実行している。農場を分散させ、品目は多種多様。リスクを回避し、最低限のベースをつくる。さらに「資金繰り」「キャッシュフロー」に注意を払う。農家は収入の時期が決まっていることを留意しなければならない。
鈴木氏は、これまではラッキーな面もあったが、今後は業界のリーディングカンパニーを目指すと語る。近い将来、地球規模の人口増加、異常気象等の影響で、食糧危機が叫ばれているが、日本人はその意識があるだろうか。平和ぼけをしているうちに各国は輸出規制をかけ、いずれ食料が入ってこなくなるだろう。まさに日本の次の戦略は「つくること」であり、大きなビジネスチャンスとも言える。
TPPは、確かに米作に影響を与えるが、政策的に国内の農業を守るためには、補助金も手厚く出すべきである。一方、イチゴ等影響が少ない品目もあるので、これからは攻め込まれるだけではなく、日本からも打って出ることが重要。どのような立場からも、農業再生を真剣に考える時期に、現在の日本はある。