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BPUプロフェッショナル系 組織人事 > 戦略的人材マネジメント 01

人事・人材論の歴史的パラダイム転換


概要:
団塊の世代のポスト不足に対応するために、1980年代から90年代の初めにかけて「職能資格制度」が、
1990年代から2000年代前半にかけて人件費の高騰と中堅社員の不満を解消するために「成果主義」が導入された。
これらは、人間は高い給与や昇進を求めて努力するという前提のもとにつくられた制度だったが、
2000年代後半になるとダイバーシティ(多様性の受容)が顕著になるとともに、人間の動機そのものが大きく変化し始めた。
12回シリーズの第1回である今回は、この歴史的なパラダイム転換について考察する。
人間の欲求は優勢なものから生理的欲求、安全と安定の欲求、社会性の欲求、承認と尊敬の欲求、自己実現欲求に分けられるという
人間性心理学者アブラハム・ハロルド・マズローの欲求5段階説は広く知られているが優勢である四つの欲求が「欠乏動機」によるものであり、
自己実現欲求が「成長動機」によるものであることはあまり理解されていない。
必要なものが欠乏しているときには人はそれに強く動機づけられるが、満たされると成長に動機づけられるという理論である。
今回の歴史的パラダイム転換は「欠乏動機」から「成長動機」への転換の端緒といえるものかもしれない。
欠乏しているものを獲得しても、それだけでは根本的な幸福を得ることはできないと気づいた人々は欠乏動機をなくしたが、
だからといって成長動機を持つには至っていない。中途半端な状態にある社員をどのように動機づけるかは喫緊の課題となっている。
従来はポストや給与などの「外的報酬」によって動機づけられていたがその効力は失われ仕事そのものの興味深さ、
やりがいや成長実感などの「内的報酬」が重視されるようになってきている。あらゆる権威の衰退が著しい現在、上司には部下を説得し納得させる力が求められる。

ソーシャルパワーは「権威パワー」「準拠パワー」「報酬パワー」「強制パワー」「正当パワー」の5つに分けられるが、これから重要になるのは「正当パワー」だ。
社員だけではなく会社、顧客、社会全体を視野に入れ普遍的な正当性を感じさせて影響力を行使できなければリーダーにはなれない。
感覚的な情報を単純に取り入れる「直観的思考」ではなく情報を分析、比較、推論して最適な解を導く「形式的操作」に通ずることも必須だ。
コンピテンシー(成果を生む行動特性)だけではなく正当パワーを発揮して部下を指導する人材を登用することの重要性を認識しなければいけない。
成長動機を考慮して内的報酬を評価制度に組み入れ仕事の設計力を高めて、正当パワーを浸透させることが企業の課題となる。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 人事・人材論の歴史的パラダイム転換
00: 01: 20 戦略的人材マネジメント
00: 02: 42 人事・人材論の歴史的パラダイム転換
00: 02: 50 講義内容
00: 03: 31 人材を見極める目とは
00: 09: 20 人事人材論に関する焦点の変遷
00: 18: 30 なぜパラダイムが変ったのか
00: 25: 22 各時代における中心的欲求
00: 28: 21 これからの動機づけ
00: 32: 48 これからの人材マネジメントの焦点
00: 37: 06 社員が会社や上司に期待すること
00: 42: 05 普遍的な納得・影響力とは
00: 50: 00 普遍的な正当性を感じない上司
00: 50: 38 形式的操作とは
00: 56: 08 企業として取り組むべきこと
00: 58: 11 まとめ
講師紹介: 川上 真史(かわかみ しんじ)
タワーズワトソン ディレクター/株式会社ヒューマネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産業能率大学総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループを経て、現職。
数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。
近著に『コンピテンシー面接マニュアル』、『できる人、採れてますか?―いまの面接で、「できる人」は見抜けない』(共著・弘文堂)、『仕事中だけ「うつ」になる人たち―ストレス社会で生き残る働き方とは』(共著・日本経済新聞社)、『会社を変える社員はどこにいるか―ビジネスを生み出す人材を育てる方法』、『自分を変える鍵はどこにあるか』、『のめり込む力』(ダイヤモンド社)、『最強のキャリア戦略』(共著・ゴマブックス)など。

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  アシスタント:徳山 麻耶

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