異業種格闘技とは異なる事業構造を持つ企業が異なるルールで顧客と市場を奪い合う競争である。
例えば音楽CD・DVD市場は年間200億円規模で縮小する一方、モバイルを中心とした音楽配信が主導権を握りつつある。
また従来伝統的と言われてきた銀行業界においても流通業界やメーカー企業が参入し
ユニークなビジネスモデルで業績を伸ばしているなど分野を問わず様々な異業種格闘技の事例が見られるようになっている。
異業種格闘技が起きてきた背景としては各業界が成熟化し新規事業を展開することによる既存企業との
バッティング、ネット・モバイルの進展による消費者購買行動の変化、競争のグローバル化などが挙げられる。
異業種競争戦略には4つのステップがある。
まず「事業連鎖」でビジネスをとらえることである。
事業連鎖とは自社内のバリューチェーンのみならず他社を含めた川上から川下までのビジネス構造を理解すること。
自動車メーカーは素材、部材、部品、完成車、小売、アフターサービスをそれぞれ異なる企業が担っている。
事業連鎖の中の各パーツを「置き換える」「省略する」「束ねる」「選択肢を増やす」「追加する」ことによって新しいルールを作り出すことができる。
次に戦い方を理解することである。
同じ価値を提供するのであれば競合と同じ手段を用いるのか異なる手段に出るのか。
異なる価値を提供するのであれば競合から奪うべきは時間か、空間か、財布か。
局地戦に出るのか、全面戦争を仕掛けるか、といった視点で戦略を構築することが必要である。
3つ目はビジネスモデルの構築である。
顧客への価値提案をどういった儲けの仕組みで実現するのかが競争優位性を生む。
最後に新しいルールの確立である。
事業目的に合わせて戦い方を変えることで敵を自分の土俵に引きずり込むことが重要である。
異業種格闘技の本質はビジネスモデルの争いである。「新しい土地を探す」ことよりも「新しい目で見る」ことが求められる。