人口の少ない地域において供給面では「医師不足」需要面では「診療要求の多様化」が問題として顕在化してきている。
人々が安心して生活するための医療条件としては疾病予防・健康増進などに取り組むことが可能な一次医療
プライマリケアがいつでも可能な二次医療、そして必要な時に専門医療に相談できる三次医療といった高度医療へのアクセスが挙げられる。
しかし地域社会ではこの条件が満たされていないのが現状だ。
医師不足への直接的な取組としては国による医学部の定員増や医療連携による医療供給の効率化、国からの財政支援などが行われている。
また地方でも医学部への寄付講座や医学部地元入学枠の設置、奨学資金や研修資金の補助などが行われている。
しかし医師を育てていく取組は成果を上げるまでに時間がかかりなかなか簡単には進まない。
そこで医師不足を前提として行われているのがITを通して医師不足をフォローする取組である。
北海道の旭川医科大学では専門医が不足している地域病院をインターネットで結び
TV会議システムを使った遠隔医療やX-P画像の読影など地域における専門医療を支援している。
また函館でも地域の複数の医療機関をITネットワークで接続し診療情報を共有化することで患者の利便性を高める試みが行われている。
長野の松本市では在宅患者の日々のバイタルデータを記録できる仕組みを構築することで、関係者間でリアルタイムに患者情報の共有が進められている。
ITを活用し必要な時にプライマリケアや専門医療にアクセスできる環境を提供しているのである。
医療へのIT活用においては医療情報の共有とその個人情報をどう守るのかが最大のポイントとなる。
これができれば医師不足をフォローする形で高度医療が提供できこの情報を患者側も利用することで疾病予防の促進などが見込める。