今日における電力は基本的に供給側だけが問題となる傾向があり、供給した後
その電力がどういった用途でどれだけ効率的に使われているのかは分からなかった。
発達したネットワーク技術を使い電力の利用状況を把握し、双方向の需給関係を構築する中で
電力インフラをより賢く利用していこう、というコンセプトがスマートグリッドである。
スマートグリッドは全世界で注目を集めている。中でも送電網に対する投資が停滞していた米国では、
景気対策を含めここに対する公共投資が強く推し進められている。
スマートグリッドの実現により世帯単位での電力管理だけでなく各世帯の中で
どの端末に、いつ、どの位の電力が掛かっているかが一目瞭然になる。
端末単位での消費量が見えることで、人々の行動や家電製品の選択も変わってくることが期待されている。
スマートグリッド実現に向けての最大の課題は標準化である。様々な業界団体で既に確立された接続技術(標準)を、
いかに相互接続するか。これを推進するため、米国ではNISTと呼ばれる団体が設立され、
政府主導での標準化が急速に進められている。
スマートグリッドの進展により期待される大きなビジネスチャンスが「モノのインターネット」の世界である。
従来のPCや携帯のように人がインターネットを利用するだけでなく、電力を利用するモノ自体がインターネットを利用し、
最適な電力消費を選択する世界である。その第一歩として推進されているのが、スマートメーターである。
将来、スマートメーター自体が正確な電力利用状況を消費者に提示し、最適な提案を行うようになる日も遠くはない。
2020年までに約1兆台のモノがインターネットに繋がり、その経済効果は約5.5兆円以上になると予想されている。
但し、重要なのはモノが繋がった後、誰がどのようなビジネスをしていくかである。この点は、未知の世界である。