山田氏は1950年仙台市生まれ、三菱化学、三菱総合研究所などで創薬基礎研究に携わり、2000年に宝酒造へ入社、
遺伝子情報DB構築のベンチャー企業、ドラゴンジェノミックスの設立にかかわる。
研究者として創薬に長年取り組んできたが、より社会に貢献するためには早期収益が見込める
新たな創薬ビジネスモデルが必要との思いから、大学の研究成果を基に遺伝子医薬品の研究開発を行う
メドジーン・バイオサイエンス(現:アンジェスMG)株式会社へ入社、現在はアンジェスMGのCEOを務める。アンジェスMGは、末抹消性血管疾患治療に利用されるHGF遺伝子治療薬や、子どもの遺伝子欠損による疾病である
ムコ多糖症Ⅵ型を治療する「ナグラザイム」、前立腺がんの治療剤などを開発販売する。
一般的に創薬ビジネスは研究開発投資が先行し、かつ開発期間が10年以上と長期にわたるため収益の確保が困難になる。
しかし経営者は研究開発の大義名分に甘んじて創薬開発経費を先行投資と割り切ったビジネスを展開していてはいけない。
アンジェスMGは新薬開発で製薬会社と提携し、それぞれの開発工程でインキュベーション期には契約一時金を、
臨床試験期間ではマイルストーン開発協力金を、販売開始後はロイヤルティーを取り収益構造の安定化を図る。
また東証マザーズに上場を果たし2万人以上の個人投資家などから総額180億円を調達した。アンジェスMG社の株主には
治療薬を待ち望む患者の家族も多く、長期に株を保有するエンジェルとして強力に同社をバックアップする。
現在のアンジェスMGにとっては早期の収益実現が課題だが、HGFなどの新薬が承認されれば日米市場での上市とともに黒字化、
利益拡大が見込まれる。
山田氏は新分野に挑戦する若い起業家が日本に育つことを切望する。
アンジェスMG社の後に続き、多様な分野で日本のベンチャービジネスが育成されれば22世紀においても日本の企業は自信を持って
世界で生き残っていけるだろう。