「電卓のオールクリアを押すのと同じです。ゼロベースからのチャレンジですね」。
大手住宅メーカー積水ハウスの都市開発部門でまちづくりに携わってきた森嶋伸夫氏は、一新塾の門をたたいた当時の様子をこう語る。
これからの都市整備には環境・子育て・介護といった視点が欠かせない。
箱物よりもコミュニティーの充実が重要だと気づいた森嶋氏は、
「生き方を変えて新しい社会創造に携わる」という一新塾の理念に強く引かれたという。
20代から70代までのビジネスマン、主婦、学生、経営者など多様な立場の人が集うなかでまず感じたのは、
縦割り社会から抜け、異質同士が強みを持ち合い、ビジョンを存分に語れば、短時間で新しい創造が生まれるということだ。
ひとたび答えが出たら、必ず実行に移す。
分析は現状の認識ではなく、ビジョン実現のために使う。
目からうろこの教えの連続に、森嶋氏は「この一年が人生の転機になる」と確信したという。
大前氏が一新塾を創設したのには紆余曲折の経緯があった。
日本を変えたいという思いで書き上げた一連の著書はそれぞれ30万部を越したものの、社会は動かなかった。
議員に働きかけた83の法案も実現せず、都知事選に打って出るが惜しくも落選。
そこで「急がば回れ」、社会の現実をできる限り自分に引きつけ、そこに自分の人生を投げ入れ、
混沌と葛藤のなかから知恵を絞って前進していく同志を育成することにしたのだという。
第3ステージの7期~10期に「芽」が出てきた。
自治体首長に提言した「しなの鉄道」、国会議員に働きかけた「ふるさと納税」など、塾生の提案がかたちになりはじめる。
現第4ステージでは、NPO法人化し、名古屋・大阪・福岡にも拠点を置いた。
日韓草の根交流や台湾視察など、国内外で活動の場を広げている。
「知識の有無ではない。思いがあれば誰もが社会創造に参加できます。
それを支えるメンバーシップを育てていくこともわれわれの使命です」と語る森嶋氏。
熱い情熱たぎる一新塾の詳細は、同塾編の単行本『一新力』を参照されたい。