成熟化した日本にとって成長の為にはグローバル化は必然である。
しかし、それを世界標準への適合の問題と捉えると、それは他社との違いを作り競争優位を獲得するという戦略論には従わないもの、
グローバル化は真の競争優位を阻害してしまうというグローバル化の落とし穴に嵌ることになってしまう。
そうではなく日本と同じ方法、日本発の価値創造でアジアで成功した日本企業は数多い。音楽教室を広めたヤマハ、訪問販売のヤクルト、まず二輪から入ったホンダ、化粧品専門店から展開した資生堂など数多くの事例がある。
味千ラーメンの重光産業も日本発の価値創造でグローバル化に成功した企業の一つであろう。
熊本が本社の同社の売上高は17億円弱。国内は103店舗であるが、海外は中国を初めとして473店舗を展開し合弁企業は香港株式市場に上場。
その時価総額を上回る日本の外食産業は日本マクドナルドのみという隠れたグローバル企業である。
海外進出は1994年の台北が最初で、きっかけは故郷に錦を飾りたいという程度のものであったが、味千ラーメンを中国に是非広めたい
という熱意を持つ香港の実業家と、香港からの留学生との出会いが同時にあり、三者で1995年の北京を皮切りに香港、シンガポール、フィリピン、
米国、タイ、インドネシア、オーストラリアと展開をしていった。
味千ラーメンの特徴は医食同源という考えのもとに豚骨スープや麺は殆ど自社工場で生産。創業時と味を変えない一方でトッピングを中心とした
メニュー開発は各地域や店舗に裁量を与えていることにある。
成功はパートナーとの出会いと現地化が鍵であったと言う。中国ではラーメンは若者のおしゃれな日本食という捉え方をされていて
日本ファンの若者も多いのでビジネスチャンスも多い。
成熟している国にしかない魅力のある価値というものがある筈で、まだ国内には日本発グローバルへと繋がる価値創造が多く埋もれているのではないだろうか。