アイデンティティーの研究で知られる心理学者エリク・エリクソンは、
パーソナリティーは段階的に発達すると考えた。
0歳から1歳までの課題は安定性の形成である。
この時期に親的人物に絶対的に受け入れられ基本的信頼感を持つことができると、安定した心の状態を保つことが容易になる。
2歳から3歳期には基本的ルールを学び規律性を身につけ、4歳から5歳になると同年代の子どもと遊ぶことで社会性を形成していく。
ここまでの成長が順調であると、あふれるように好奇心が出てくる。
6歳から12歳ぐらいまでは比較的安定した時期で親や教師の言うことを素直に受け入れるが、
次のモラトリアム期に入ると、それまで信じていたことに疑問を持ち、反発し始める。
この時期に葛藤を経験し試行錯誤を繰り返すことで、自我を形成してアイデンティティーを統一することが可能になる。
思考力の発達段階を研究したのは、発達心理学者ジャン・ピアジェである。
生まれたときから見られるのは「反射」。
2歳ごろまでに物事に因果関係があることを知る。
これを「知的結合」という。
4歳までに言語と事象の関係を理解する「象徴的思考」が発達し、7歳までに「直観的思考」、
11歳までに「具体的操作」と発達が進むと、それ以降は複数の変数を同時に適用して考察する「形成的操作」が可能になる。
心身の発達経路について知ることには多くの利点があるが、固定的に考え過ぎて、
この時期にはこうあるべきだと思い込むことには注意しなければいけない。
人間の成長は偶然性に強い影響を受けるし、能力を単純に比較することなどできない。
例えば認知心理学者ハワード・ガードナーは、言語や論理だけではなく、
音楽や運動、自然とかかわる能力なども知性として捉えた。
抽象的に思考するだけでは不充分で、現実に結びつけて考える力を養成していかなければ、社会で通用する力にはならない。
人間を総合的に把握し、あせらずに、
子どもとの時間を楽しみながら育てる心の余裕を持つことも忘れてはならない。