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BPUプロフェッショナル系 組織人事 > 組織人事ライブ521:川上真史

子供を育てるということ
~心理学から見た子供教育のあり方~


概要:
現代では教育というと知的能力にばかり関心が集中するが、豊かな人生を送るにはパーソナリティーを形成し、確立することが重要である。
子どもの健全な成長を願うなら、パーソナリティーや知的能力の発達段階を意識したうえで、段階に応じた課題を与え、接し方を変えていかなければならない。
教えるだけではなく、ときには経験の場をつくることに心を砕いたり、一歩引いて見守ったりすることも大事だ。
本講義では、発達心理学の理論を紹介しながら、教育の在り方について考えていく。
アイデンティティーの研究で知られる心理学者エリク・エリクソンは、
パーソナリティーは段階的に発達すると考えた。
0歳から1歳までの課題は安定性の形成である。
この時期に親的人物に絶対的に受け入れられ基本的信頼感を持つことができると、安定した心の状態を保つことが容易になる。
2歳から3歳期には基本的ルールを学び規律性を身につけ、4歳から5歳になると同年代の子どもと遊ぶことで社会性を形成していく。
ここまでの成長が順調であると、あふれるように好奇心が出てくる。
6歳から12歳ぐらいまでは比較的安定した時期で親や教師の言うことを素直に受け入れるが、
次のモラトリアム期に入ると、それまで信じていたことに疑問を持ち、反発し始める。
この時期に葛藤を経験し試行錯誤を繰り返すことで、自我を形成してアイデンティティーを統一することが可能になる。

思考力の発達段階を研究したのは、発達心理学者ジャン・ピアジェである。
生まれたときから見られるのは「反射」。
2歳ごろまでに物事に因果関係があることを知る。
これを「知的結合」という。

4歳までに言語と事象の関係を理解する「象徴的思考」が発達し、7歳までに「直観的思考」、
11歳までに「具体的操作」と発達が進むと、それ以降は複数の変数を同時に適用して考察する「形成的操作」が可能になる。
心身の発達経路について知ることには多くの利点があるが、固定的に考え過ぎて、
この時期にはこうあるべきだと思い込むことには注意しなければいけない。
人間の成長は偶然性に強い影響を受けるし、能力を単純に比較することなどできない。
例えば認知心理学者ハワード・ガードナーは、言語や論理だけではなく、
音楽や運動、自然とかかわる能力なども知性として捉えた。
抽象的に思考するだけでは不充分で、現実に結びつけて考える力を養成していかなければ、社会で通用する力にはならない。
人間を総合的に把握し、あせらずに、
子どもとの時間を楽しみながら育てる心の余裕を持つことも忘れてはならない。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 子供を育てるということ~心理学から見た子供教育のあり方~
00: 00: 47 子供を育てるということ~心理学から見た子供教育のあり方~
00: 01: 23 学校任せの教育の時代は終わった~企業が取り組む児童・学生教育~
00: 01: 29 今日の流れ
00: 03: 03 人格形成のポイント
00: 06: 33 各ポイントは何によって形成されるか
00: 15: 25 エリク・エリクソンによる発達段階
00: 19: 17 ベーシックトラストの獲得
00: 24: 37 規律性の形成
00: 27: 19 社会性の構築
00: 31: 32 好奇心の醸成
00: 33: 45 モラトリアム
00: 37: 42 アイデンティティの確立
00: 40: 34 自我の4条件
00: 42: 36 発達段階のイメージ
00: 43: 39 パーソナリティ形成のポイント
00: 46: 17 思考力の発達
00: 50: 09 学力と相関を持つ要因
00: 52: 21 マルティプル・インテリジェンス
00: 54: 49 知的能力形成のポイント
00: 58: 19 今日のまとめ
講師紹介: 川上 真史(かわかみ しんじ)
タワーズワトソン ディレクター/株式会社ヒューマネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産業能率大学総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループを経て、現職。
数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。
近著に『コンピテンシー面接マニュアル』、『できる人、採れてますか?―いまの面接で、「できる人」は見抜けない』(共著・弘文堂)、『仕事中だけ「うつ」になる人たち―ストレス社会で生き残る働き方とは』(共著・日本経済新聞社)、『会社を変える社員はどこにいるか―ビジネスを生み出す人材を育てる方法』、『自分を変える鍵はどこにあるか』、『のめり込む力』(ダイヤモンド社)、『最強のキャリア戦略』(共著・ゴマブックス)など。

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  アシスタント:岩崎 里衣

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