年功序列制度が崩れたこともあり、管理職ポストに就けない社員が増えて仕事へのモチベーションが弱まっているという見方もあるが、
こういう考え方自体を改めていく必要がある。
実際に管理職ポストに魅力を感じない若者は増えている。
タテ社会のなかで競争に終始するのではなく、豊かなヨコ社会をつくっていくことに、日本企業の未来はある。
職能を磨いた人が60歳になっても現場で生き生きと働けるようになれば、高齢化も大きな問題にはならない。
大事なのは一人一人の社員が、どれだけ打ち込んで働くかということであり、
企業が働く環境をいかに整えるかということだ。
日本の企業は社員教育に力を入れていると思われているが、世界の基準に照らし合わせると、誤解であることがわかる。
教育に投資しても転職されれば無駄になるという考え方を改め、
惜しみなくできる限りの教育を施すべきだ。
成長実感があるならば、優秀な人材はその場を離れない。
さらに、普通の人をいかに優秀な社員へと成長させるかが重要だ。
安定志向で失敗を恐れる傾向が強い現代の若者をいかに育てるかについて、各企業は真剣に考えなければいけない。
早い時期には競争させず評価も控えたほうがよいという野田に対し、
高橋は成果をきちんと評価して刺激を与えるべきだと述べ、
川上は多くの評価軸が必要だと論じた。
人事担当者が現場のマネジャーと密接なコミュニケーションを取り専門性を生かして評価をしながら、社員の成長を促していかなければいけない。
年齢、性別、国籍などで人を簡単にタイプ分けして判断することをやめ、小さな壁を乗り越えて協力し合うことの重要性を認識すべきだという主張において、
三人の講師の意見は完全に一致している。
今後の講義については、
『自分らしいキャリアのつくり方』を書いた高橋は、労働観の発展についての研究成果を講義に取り入れ、
『あたたかい組織感情』を出版した野田は仕事に集中できる組織の在り方を、
『のめり込む力』の著者である川上は若い社員の育成を中心に議論を進めていく。