世界のM&Aの長期トレンドは、
1989年のLBOブーム、2000年のITバブルとユーロ景気、2007年の第二次LBOブームという3度のピークを迎えた直後、
翌年以降大幅に金額が減少するという経緯を辿っている。
2008年はリーマンショックで前年比38%も減少した。
日本のM&Aは銀行の合併があった年は金額が膨らむという傾向があり、1999年がピークであったものの、
バブル処理に目処が付いた2000年代に入ってから比較的堅調で、世界に占めるシェアも4%程度である。
ここ数年、日本企業による外国企業の大型の買収案件件数が、バブル期よりも多くなっている傾向がある。
しかしながら、1986年以降過去のM&A案件では、日本企業が買手となる海外企業買収案件のみならず、
外国企業による日本企業買収案件も、失敗事例が多いというのが実態ではないか。
M&Aとはそもそも買手と売手の双方が株主価値増大を見込める時に成立する会社支配権の移動である。
売手にはプレミアム受領による価値実現がもたらされ、買手は支払プレミアムを上回るシナジーを期待する。
即ち、売手は成功が確実であるが、買手はプレミアムを払って投資を開始するという成功が不確実なものなのである。
多くの日本企業はこのことを理解していないと思われる。
買手の成功のための5つの必要条件とは、
①負けから入る投資であることの理解、
②支払プレミアムを上回る価値創出の綿密な計画、
③経営権の取得、折衷案としての49%は最悪、
④自分で経営できる力、
⑤欧米人経営者へは飴と鞭、である。
過去のM&Aの成功事例として挙げられものは、海外企業買収案件として京セラによるAVX Corp、国内案件では経営統合によるJFEの誕生、
外資系企業による買収としてはロッシュと中外の合併がある。
世界のM&Aでは中国が買手として登場して来ている。中国が日本のように高い授業用を払うのだろうか。
今後、M&Aが中国を中心とする動向になるのは間違いないであろう。