再生可能エネルギーの中でもCO2排出量が少なく、また安定供給が可能であることから評価を高めているのが、地熱発電である。
地熱発電は、地下に貯蔵された水蒸気のエネルギーをもとに発電するものであるが、
近年では地下の熱した岩石に水を吹きかけて水蒸気を発生させるドライホットロック方式などの開発も進み、利用機会の増大が期待されている。
火山が多い日本は世界でも有数の地熱資源国であり、その利用が期待されているが、実際にはあまり利用が進んでいない。
世界的には、アメリカ、フィリピン、インドネシア、メキシコ、イタリアなどで発電が活発に行われている。
アメリカでは、石油採掘の副次物として温水が発生するため、石油採掘のコスト削減のために地熱発電が活用されている。
しかし日本の場合、地熱資源は温泉などに利用されており、観光資源が損なわれるという理由で地元住民からの反対に合うことも多く、
発電にはあまり利用されてこなかったのが現状である。
日本で地熱発電を活発にするためには、地域の観光や文化と衝突しないことが重要になる。
HOT EARTHでは、小型のユニットを使って地域単位での小規模発電ができる仕組みを取り入れている。
また観光人口の減少などから経営に困窮している温泉地などでは、すぐに発電できる候補地として期待できる。
日本では地域ごとに大きな電力会社が、発電から配給までを独占的に行っているため、新しいエネルギーについては排他的になる傾向がある。
本来税金を投入する以上、新エネルギーの促進についてはオープンマーケットであることが必要で、選択肢も多くなければならない。
政府は太陽光発電の促進に力を入れているようだが、日照時間の少ない日本にはもっと相応しい発電方法があるはずである。
政府は太陽光発電以外にも、支援制度を適用する考えを示しており、今後10年、20年の間に様々なニッチな発電方法が多い。