動画共有サービス「ニコニコ動画」は、映像を多人数で共有し、同一画面上にコメントを載せる方式で、動画という共通の話題を通じて多くの人とつながりを持つ機会を提供する。
同サービスは、ネットコミュニティーを求める若年層の支持を得て爆発的に発展し、2009年10月末現在の登録会員数が1,500万人を超える。
ニコニコ動画では、動画上に映像が見られないくらい多数のコメントが流れ、一見してテキスト部分が邪魔に感じるが、動画の上にコメントが載ることで、
お茶の間でコミュニケーションしているような臨場感を醸し出す。
実際のユーザーは、笑いのある和やかな雰囲気を「W」の文字で表すような工夫をしたり、アート的な表現を駆使したりして仲間と対話する。
本人同士の意思疎通は十分で、濃厚な情報交換も可能。
断片的な言葉で対話するため、短時間で濃密なコミュニケーションが図れるなど、若い世代間で日本語が質的な変化を始めていることもうかがえる。
非常にリアリティーのある情報をバーチャルな場に載せる非同期コミュニケーションを用いたことで、
同じ動画に多人数のコメントが蓄積されて、多くの人と動画を見ながらコミュニケートする疑似体験が自分好みの時間に得られる。
テレビ業界は、NHKがソーシャルテレビ構想を発表するなど、クラウドとの結び付きを強化する方向にある。
テレビの完全デジタル化は、単なる技術論ではなく、生活者のライフスタイルやビジネスを刷新する可能性が大きく、
今後は映画業界を巻き込んだメディアの大転換が予想される。
クラウドとテレビが融合したソーシャルテレビがメディアの世界を大きく変化させる駆動力となることは間違いないだろう。
インターネットはすでに人々の生活の一部になっている。
ニコニコ動画は、2011年の完全デジタルテレビ化でさらに増大していくネット生活圏に対応するために、
コミュニケーションの多様化と機能の拡張を繰り返しながら、日本型のソーシャルテレビが確立するように頑張っていただきたい。