経営がITに期待しているものは、
効果創出、
目線の高い提案、
迅速なサービス提供、
コスト削減等である。
1990年代以降10年毎に景気後退とITコスト削減が繰り返された。
クラウド・コンピューティングは経営の期待に応え、
後戻りしないITコスト削減の解答となりうるのか。
クラウドは従来の購入し構築するシステムをとは違い、
電気やガス、水道のように必要な時に必要な分を利用するモデルである。
コストの変動費化、無制限のリソースの利用、すぐ使えるという特質を持ち、
企業のビジネスプロセス、ソフトウェア、プラットフォーム、インフラストラクチャに関する
4種類のソリューションがクラウドにより提供可能である。
ユーザー企業にもたらされるものはIT投資の最適化とスピード。
この出現によりハードウェアベンダーは購入者の変化、
ソフトウェアベンダーは利用料モデルへの変更、
システム・インテグレータは成果報酬型ビジネスへの転換が起こり、
彼らは新しいパラダイムに対応したビジネスモデルを検討、開始している。
企業ITの視点はハードウェアから利用へ、IT業界は利用者主導となり
勝者はIBMや富士通のような大企業からアプリ開発業者やユーザー企業に替わる可能性がある。
クラウドの活用事例として自治体の定額給付金システム、
いつでもアクセス可能な企業の情報インフラやグローバルシステムの構築といったものが既にあるが、
クラウドは導入が容易で様々な領域に適応可能なので企業特有の要件に影響されない領域から始めることで投資リスクの回避もできる。
クラウドはIT環境を大きく変革する可能性がある反面、
セキュリティ、統合・運用、コスト、カスタマイズ、パフォーマンス、ポータビリティという面で解決すべき課題がある。
企業ITの未来は持たないITの世界、
それは自前からの脱却によりITのスピードが経営のスピードに追い付き企業を超えた連携を加速することが可能となる世界でもある。