ビジネス・ブレークスルーHOMEへ | 会社概要 | BBTサービス一覧 | サイトマップ | BBTサイトについて | お問い合わせ一覧 |

ログイン
BPUプロフェッショナル系 大前研一アワー > 大前研一アワー248

【向研会】日本の貿易構造の変化とその影響


概要:
長い間、貿易黒字大国であった日本もついに貿易赤字国に転落することとなった。
これは世界的な景気の冷え込みを要因とする一時的な問題ではなく、日本の貿易構造が変化したことによる長期的な問題だと考えなければならない。
今、日本が直面する構造的な変化についてデータを基に詳細に解説し、その意味するところを明確にすると同時に、
この事態において今後日本と日本企業はどのように考え、行動すべきなのかを提言する。
日本という国は、為替の急激な変動やアメリカからの圧力にも関わらず長きに渡り輸出が輸入を上回る貿易黒字を当然のように計上する国であった。
しかし昨年後半、ついに赤字に転落することになった。
これを単に金融危機によるアメリカ景気の落ち込みを原因とする一時的な現象だと捉える向きもあるが、
仔細にデータを見てみると、長期的な流れの末に至った構造的な現象だということが分かる。

貿易の中身を見てみると、最早アメリカは最大の直接輸出国ではなくNIEsにその地位を譲っている。
20年前と比べてアメリカとの貿易はあまり増えていないが、
NIEsをはじめ、中国やASEANとの貿易は輸出入ともに大幅に増加している。
その中での貿易赤字化は、日本がアメリカのような輸入超過経済構造になったのだと考えることができ、日本経済にとってシリアスな要因である。

構造変化の要因の一つは日本の製造業が海外に移転したことである。
当初は、日本から部品等を調達しなければならなかったはずだが現在ではほとんど現地調達、現地販売の域内で完結するビジネスを作り上げている。
現地の部品企業の能力は徐々に向上しており、日本国内に残った産業クラスター(大田区や東大阪)は需要低迷にあえぐこととなっている。

かつてアメリカが国内製造業の海外流出に直面した折、いわゆるレーガン革命による規制撤廃によりソフトウェア、金融、航空機などの新しい産業を生み出し、
世界中から投資を集め雇用を守った経緯がある。
しかし日本は規制改革が遅れており製造業に代わる産業が育つ兆しが見えない状況である。

これからの日本企業はアジア全体をあたかも日本の国内であると捉えて、
日本の7倍の成長率を誇るアジア地域のポテンシャルを最大限に活用すべきである。
インフラが整備されてきているアジアの一番安いところで造り、最適地で売るというビジネスの原点に忠実に従うことが生き残る道である。

日本国としては、残った外貨準備高を大切に扱って、無駄な為替介入はすべきではない。
同時に、日本が競争力を持つ“環境、省エネ、素材・部品”分野などから新しい産業を生み出し、
相応しい人材を育成することに長期的に取り組んでいかなければならないだろう。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 日本の貿易構造の変化とその影響
00: 12: 27 1.国際収支の構造変化~経常収支~1
00: 16: 14 1.国際収支の構造変化~経常収支~2
00: 16: 52 1.国際収支の構造変化~経常収支~3
00: 17: 40 1.国際収支の構造変化~経常収支~4
00: 18: 17 2.貿易収支の構造変化~1
00: 19: 27 2.貿易収支の構造変化~2
00: 20: 54 2.貿易収支の構造変化~3
00: 21: 52 2.貿易収支の構造変化~4
00: 22: 25 2.貿易収支の構造変化~5
00: 23: 22 2.貿易収支の構造変化~6
00: 24: 01 2.貿易収支の構造変化~7
00: 24: 32 2.貿易収支の構造変化~8
00: 25: 37 2.貿易収支の構造変化~9
00: 26: 08 3.構造変化の要因~企業の海外移転~1
00: 27: 50 3.構造変化の要因~企業の海外移転~2
00: 28: 03 3.構造変化の要因~企業の海外移転~3
00: 29: 03 3.構造変化の要因~企業の海外移転~4
00: 30: 19 3.構造変化の要因~企業の海外移転~5
00: 30: 44 3.構造変化の要因~企業の海外移転~6
00: 32: 17 3.構造変化の要因~企業の海外移転~7
00: 33: 11 3.構造変化の要因~企業の海外移転~8
00: 33: 34 3.構造変化の要因~企業の海外移転~9
00: 34: 54 3.構造変化の要因~企業の海外移転~10
00: 35: 49 3.構造変化の要因~企業の海外移転~11
00: 36: 46 3.構造変化の要因~企業の海外移転~12
00: 39: 01 4.日本のものづくり基盤の停滞~1
00: 39: 56 4.日本のものづくり基盤の停滞~2
00: 43: 03 4.日本のものづくり基盤の停滞~3
00: 43: 46 4.日本のものづくり基盤の停滞~アジア諸国の技術力向上~1
00: 45: 12 4.日本のものづくり基盤の停滞~アジア諸国の技術力向上~2
00: 46: 20 4.日本のものづくり基盤の停滞~アジア諸国の技術力向上~3
00: 48: 47 5.日本のアメリカ化の影響~1
00: 51: 11 5.日本のアメリカ化の影響~2
00: 51: 54 5.日本のアメリカ化の影響~3
00: 53: 06 5.日本のアメリカ化の影響~4
00: 53: 31 6.まとめ~1
00: 54: 32 6.まとめ~2
講師紹介: 大前 研一(おおまえ けんいち)
経営コンサルタント
マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了後、日立製作所、マッキンゼージャパン会長を経て、現職。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院政策学部教授、オーストラリアのボンド大学の客員教授でもある。
著書多数。

『大前 研一』をamazon.co.jpで検索

Copyright(c)