株式会社デジタルメディアマートは、
ブロードバンド配信サイトDMM.comを運営する企業である。
同社は1988年にリアルビデオの動画配信を見た松栄社長が
「将来、ビデオやCDなどのパッケージというものがなくなるだろう」という前提でスタートした。
それ以来「コンテンツアグリゲーターである」というポジションを崩していない。
DMM.comは現在、約255万人の会員数であり売上高は約250億円である。
当初、コンテンツのデジタル配信が伸び悩んだが、2003年に補完的な事業として始めた
DVDやCDのオンライン通販がヒットし、相乗効果を生むことによって2007年に黒字化した。
現在、実績の80%以上は動画配信や物品販売が占める。
2008年12月、セットトップボックスという機器をつなぐだけで、テレビで配信された動画を観ることができるサービスを始めたが、
現在のところ低迷している。その理由としてはテレビの端子の“取り合い”に負けているのではないかと考えられる。
そこで2009年8月に、プレイステーション3(PS3)に専用ブルーレイディスクを入れるだけで
ネットワークにつなぎ動画配信を受けることができるサービスを開始し、注目を集めている。
これからのコンテンツ配信はパソコンだけではなく、テレビ、ゲーム機、携帯電話などマルチプラットフォーム化すると考えられる。
コミュニケーションツールの発達したネット時代は本当にいいコンテンツだけが生き残っていくので、
プラットフォームだけが増えても不十分である。
したがってコンテンツ製作者に報酬を含めた十分なインセンティブが与えられ、いいものを作れば報酬が得られる状態を作らなければならない。
その意味でもプラットフォームを慎重に整備して、コンテンツ製作者に対価が支払われる仕組みを作ることが不可欠である。
また、ブロードバンド接続が常態化した時にテレビ画面を誰が“乗っ取るか”は非常に重要である。
PS3を通じてテレビをネット接続するビジネスは、誰も手がけておらず、
日本発の新たな世界標準のビジネスとしてグローバル展開が大いに期待できるものであると評価できる。